あんつぁんの風の吹くまま

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2006年 08月 27日 ( 1 )

北鎌倉の夜

 三十を過ぎて、東京は池袋近くの椎名町にある夜間の城西診療放射線技術専門学校に通っていた頃、横須賀線の品川からの連絡が悪く逗子に戻ってくるのはいつも午前零時近くになっていました。

 今ぐらいの時期になると、後ろのほうの車両には大船を過ぎると殆どだれも乗っていません。その電車が北鎌倉駅のホームに入りドアが開くと、いきなり虫の音の大合唱が飛び込んできます。まるでホームの冷気のそこら中に虫がいて鳴いているかのように車内に響き渡るのです。

 あたかもホームと車両全体が静寂の宇宙空間に包まれているかのようでした。「二千一年宇宙の旅」に出た宇宙飛行士というよりも、銀河鉄道999の列車に乗った乗客になったような気分でした。

 電車が入ってきても止む事のない虫の音の大合唱。ドアが開いている間だけの不思議な異次元とその荘厳なドラマに、古都鎌倉の深い深い時の流れを感じさせられるのです。

 今年もそんな昔を思い出させる季節がやって来たようです。朝晩が涼しくなってきました。
by antsuan | 2006-08-27 23:41 | 身の回り・思い出 | Trackback | Comments(10)