2008年 10月 20日
箪笥のおかげ
このところ激動する政治経済が面白くて、そんな内容の事ばかり書くものだから、案の定、訪問して下さる方がガクッと減ってしまいました。しかし、アブナイ過激なブロクももうじき復活するようだし、これでいいのだ。(笑)
確かに、最近のすごい金融収縮は、社会生活を直撃してしまっていて大変な事になっています。しかし、この様な激動の時代を生きて行くには、法律やらしきたりなどは全く役に立たないし、男や女のどっちが強いかなんていうのも、全く関係ないように思います。 とはいうものの、歴史的には、男女同権だったときというのは、その時代と地域によって大分違っていたように思うのです。例えば、貧しくて口減らしのために、産まれてきた赤ちゃんを捨てるにしても、日本ではまず男の子から捨てましたが、外国では女の子から先に捨てたというように、明らかに違っていました。 私は、人種差別と闘ってきた日本民族を高く評価したいので、どうしても日本と他国との違いを強調してしまうのですが、日本ほど、男女が同権に扱われてきた地域は無いように思うのです。女性の識字率は一千年も前から我が国は世界一でした。ちなみに、江戸時代末期では、寺子屋の教師の三分の一は女性だったそうです。また、万世一系の皇室においても女性が即位していた事もあります。ヒミコや北条政子のように政治の実権を握っていた女性もいました。 つまり、祖先はだいぶ前から、男女の性差による人間としての役割を十分に認識していたように思うのです。ですから男女同権なんて騒ぎだしたのも、女性が虐げられていた一神教(キリスト教)文化がなだれ込んできた戦後の事のように思います。 私は母の実家で産婆さんによって取り上げてもらったので、その実家がまだ故郷に残されているのを見て、その度に自慢にしているのですが、お産にしても、日本は昔から産婆さんが立ち会うもので、けっして産科医師が立ち会うものではありませんでした。 同じように、出産に夫が立ち会うというのも、おかしなものだと思うのです。確かに、妻の一番大変なときに、それも夫の子を産むのですから、立ち会って当然という言い方もあるでしょうが、逆に言えば、手伝いもしないのに女性の厳かな儀式を眺めているだけで、おかしな事だと思います。出産に夫を立ち会わせる女性は、生理のタンポンも夫に付けさせるのでしょうか。やはり、出産に関して云えば、女性が立ち会うべきであって、制度うんぬんを云うのであれば、産婆さんを産科医として認めない事がキリスト教的差別であると思うのです。 母から聞いた話では、私の出産の時はかなり大変だったらしく、箪笥にしがみついて頑張るように産婆さんから云われたそうです。想像ですが、私が無事生まれてきたのは、その箪笥のお陰ではないかと考えています。(笑) こういう男女の権利における文化の違いは、気候風土の違いというよりも、多分に宗教的思想的な違いであるように思います。生き方の違いを、農耕民族と狩猟民族に分けて考えるのはおかしいと、カソルラさんは述べていますが、全くその通りで(全面降伏)、やはり、多神教の文化と一神教文化の違いが大きく影響しているものと考えます。
by antsuan
| 2008-10-20 12:34
| 思想・瞑想・時代考証
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Comments(15)
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maron415 at 2008-10-20 17:32
<出産に夫が立ち会うというのも…>
なんだけど、 一概には言えないと思います。 例えば、山の中で暮らしている人は、必要にせまられて、夫なる人がとりあげていたそうです。 逆に、海辺に暮らしている人は、夫なる人は、漁にでていたりしていないときが多いから、近所の人が助け合ったとか ただね、武士の儒教(?)とか、明治時代に入ってできた富国強兵(?)の制度とかで、女性差別がうまれたというとこはあるかなと思います。 (いまいち不確かなんですが…)
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gabefunyaa at 2008-10-20 17:38
maron415さんの言われているように、出産時には誰が取り上げる、
というのは地域性があったようです。 とはいっても、年長者(いままで色々なお産を見てきている)が立ち会うことが多かったようですね。 田畑をつくって暮らす社会では、男女同権でないとやってられないようです。 母親の実家、曾祖父が早世したので、女やもめとなった曾祖母が村の寄り合いなどに出ていたとのこと。
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antsuan at 2008-10-20 18:17
・マロンママさん、お産に立ち会った夫がそのものすごさに失神して、お産よりもその介抱に大変だったとか云う話も聞きますし、要は安全な出産を第一にする事ですから、医師であれ夫であれ、女性よりも優先されるわけは無いと思うのです。
絶対、日本では女の方が強かったと思いますよ。女性差別は明治時代の西洋文化が入ってきてからではないでしょうか。
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antsuan at 2008-10-20 18:21
・未だにアフリカの紛争地域の黒人は、女はセックスという娯楽の対象でしかないそうです。だから奴隷とおんなじ見方をしているわけで、子供が出来ようが関係なし。はっきり云って男にお産の関心がないのです。
gabefunyaaさん、そういう社会では絶対に男女同権なんてありませんよね。と、考えると、平和こそが男女同権の必須条件であり、平安時代や江戸時代こそ、パクス・ヤポニカといえる時代であり、女が強い現代は、もっとも平和な時代なんだと思うのです。←これが言いたかった。(^O^;)
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10/20 復活したミミズ
at 2008-10-20 22:39
x
アブナクもなんともない、カラオケブログ、本日開店しますた。
場所は、以前ビラをまいた通りですのでよろしく。 あんつぁんのカーナビでもたどり着けると思いますよん。 ぷらーさんも無事来てはるし(自力か他力かは不明)。 僕の知り合いの女性、夫だけじゃなくて義母も立ち会ったそうです。 で、二人がかぶりつきに陣取って(何もせずにいたすら)マジマジと見てたそうな。 そういうのはつらいだろうと。。。 いや、実際、つらかったって言ってましたが。 僕は、帝王切開でなかったら立ち会ったと思います。
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cazorla at 2008-10-20 22:54
マロンママさんの言うように儒教の影響が強いと思います。
で 夫立ち会いですが わたし 夫なしには とてもじゃないが出産できませんでした。 4650㌘の おまけに西洋人の骨を持つ赤ちゃんは 頭がまんまるで 日本人の薄い胎盤には あわない。 痛かったです。 夫がしっかり抱きしめてくれなかったら できなかったな。 肩に手をやるそのしぐさに 男の人の本質って出てくると思います。 宝石のように大切にされている そう感じさせてくれる男の人が好き。
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antsuan at 2008-10-20 22:58
・よっ、待ってましたと云いたいところなんですが、たどり着ける自信なし。(汗)
どうせ立ち会うんだったら、手を握ってあげるとか、歌を歌って落ち着かせる? しっかし、理想は夫が赤ちゃんを取り上げることなんでしょうね。とにかく、男の医者が赤ちゃんを取り上げるのにはやっぱり違和感があるなぁ。
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antsuan at 2008-10-20 23:08
・カソルラさん、やっぱり、いい産婆さんがいなくなってしまったと云うことではないでしょうか。
私の友人の奥さんも、高齢出産で、ご主人に立ち会ってもらってすごく安心したと云っていました。 夫婦の絆も深くなるようですね。ですから、特に反対はしないのですが、出産には医者ではなくて産婆さんが適任だと思うのです。これも男女同権の一つだと思いますし。 そうそう、セイロンベンケイさんのブログ、分かったら教えてください。ヒントしか教えてくれないんだから、ひんとにヒドイ人。
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cazorla at 2008-10-20 23:18
スペインは産婆さん 助産婦さんです。 で ちゃんと 博士号ももって ドクトールと呼ばれています。
染色体異常検査の時は 針を刺したとたん 頭の位置がかわったので 軽く 位置を直していました。さすがだと思いました。 で とりあげるのも 日本で2時間くらいかかったのが スペインでは 10分。 さすが ベテランの助産婦さんです。 結局 日本の分娩台には 女性蔑視があるから 産婆さんもいなくなるのではないでしょうか。 ニュージーランドにわざわざ出産に行った友人が言ってました。 その時は実感しなかったのですが それから十年後に日本とスペインで出産して しみじみかんじました。 マリア信仰って やっぱり 女性崇拝なんですよ。 キリスト教もカトリックは多神教のうちだと思ってます。 教えてあげないっ。
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antsuan at 2008-10-21 00:45
・産婆さんがドクトル!!それがほんとうでしょうね。それを日本でも声高に叫びたい。
あのー、日本の分娩台に女性蔑視があることには賛成なんですが、それって西洋のそれもキリスト教文化の鵜呑みによるものだと思っています。 カソルラさん、分娩台なんていらない、箪笥さえあれば ! (^_^) みんな、冷たいんだから。(TOT) (ioi) (T_T) (-o-;) (/_;)
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cazorla at 2008-10-21 02:47
あんつぁん キリスト教と女性蔑視の部分 もう少し具体的にお願いします。
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sweetmitsuki at 2008-10-21 04:18
激動する政治経済のお話も面白く読んでいたのですが、いろいろ調べているうちにコメントを逸してしまいました。
キリスト教思想が女性蔑視を内包しているとは思いませんが、ヨーロッパには中世に「魔女狩り」が起き、医療行為に携わる女性が魔女として告発されたそうで、そういう話を聞くと恐いと思います。 私は出産の経験はありませんが、以前に腕を痛めた時、最先端の設備の整った大学病院では何の効果もなかったのに、怪しげな保険適用外の鍼灸院で治ったので、医学も神様も洋の東西取り混ぜて沢山あった方がいいですね。
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antsuan at 2008-10-21 09:24
・カソルラさん、鍵コメ2008-10-21 03:45さん、鍵コメ2008-10-21 03:47さん、mitsukiさん、コメントの返事は、次の記事にまとめてることに致しますので、ご了承下さい。
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yukiwaa at 2008-10-22 15:22
私も産婆さんに取り上げられました。主人もそうです。勿論、自宅です。箪笥に捉っていたかどうかは定かではありませんが、主人の場合はお産のお湯をお父様が沸かしてたそうです。マキをくべて、おくどはんでしたから・・これも伴侶が参加した事になるのでは・・・病院での付き添いはぎりぎりまで病室でいいです。生む時は恥ずかしいかなぁ・・主人はトイレ行ってましたもん。
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antsuan at 2008-10-22 21:52
・ yukiwaaさん、産婆さんの復権を声高に叫びましょうよ。助産婦なんて言わないで産科医と呼ぶべきですよね。
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平成15年(西暦2005年)3月開設
世の中、理不尽なことが多すぎます。それが普通の世界だということがようやく分かってきました。しかし人間として生きるためには獣のように本能に心をゆだねるのではなく、精神をしっかり持たねばなりません。「健全なる肉体に健全なる精神を宿らしめよ」を自戒の言葉に、右左あんつぁん(東北弁で臍曲がりなこと)の本領を発揮して、いろいろ書いてみたいと思います。どうぞ宜しく。
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