あんつぁんの風の吹くまま

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新思想、共存主義の理論

  現在の思想はいまだに十九世紀の思想をそのまま引きずっていると思う。民主主義もその一つであると云うことは前にも書いたことがあるけれども、その時にはニュートンの力学とアインシュタインの相対性理論を引き合いに出した。ところが、十九世紀の生物科学つまり進化論によって、白人優位主義の人種差別が成り立ち、それがもう古いものであると、養老孟司と渡部昇一は対談で月刊ボイスに述べている。
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 生物は「システム」と「情報」で出来ていると云う。コンピューター装置で云えばハードとソフトだ。パソコン機器がマイクロソフトのOS、ウインドウズに席巻された時、ソフトが無ければただの箱と揶揄されたことがあるけれども、それは逆であると当時の松下電器の副社長は云った。「情報」(ソフト)は「システム」(箱あるいは体形)に縛られるのだ。

 ショウジョウバエにネズミの眼をつくる遺伝子を入れてやると、ショウジョウバエの眼が余分に出来るのだそうだ。けっしてネズミの眼が出来るのではない。「システム」を「細胞」に置き換えてみるとそうなる。それでは「システム」を「社会」と置き換えてみればどうなるか。西洋の文化を日本の社会に取り込んでも、日本は西洋と同じ社会にはならないのだ。
 
 「弱肉強食」の発想は十九世紀の西洋型の考え方であって、「遺伝子と細胞」論から云えば、異質なものを包含していって今までと違ったものが出来るけれども、それぞれ両方にとって具合がいい世界が形成されるのが生物の世界であり、生態系と云う考えも、正にそういう概念で成り立っていると云う。
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 これからの人間社会を考える時、この生態系の概念を念頭に置いた共存主義こそがもっとも自然な思想ではないかと思うのだ。

 * 本をクリックすると画像が大きくなって読むことが出来ます。
by antsuan | 2008-09-11 19:06 | 思想・瞑想・時代考証 | Trackback | Comments(4)
Commented at 2008-09-12 06:10
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by antsuan at 2008-09-12 09:24
・鍵コメさん、初めまして。お立ち寄り下さり有り難う御座います。
ジメジメしたところに繁殖する政党もあります。それが日の当たるところにも繁殖すると云うことは、世の中全体が暗くなっていることを証明していると考えます。
じつは知り合いに頼まれて、あそこの新聞を一ヶ月だけとっているのですが、独裁者礼賛の北朝鮮も顔負けです。
Commented at 2008-09-12 23:35
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by antsuan at 2008-09-13 00:03
・鍵コメ2008-09-12 23:35さん、今夜は遅いのでまた明日伺います。ウキウキ。