2008年 02月 10日
若者の自殺を考える
これはrabbitfootmhさんのブログ、二条河原落書「死因不明社会ニッポン」のトラックバックです。
戦後にテレビが普及し始めると、一億総白痴と評論家の大宅壮一が危惧したけれども実はそうならなかった。その頃から週刊誌の創刊が相次ぎ、月刊誌も堅調な伸びを示し、作家も魅力的な小説を一杯世に出して、本を読む人の数は決して減らなかったように思う。 ところがコンピューターが普及し始めてからはどうだろう。ゲーム機の普及と共に本は売れなくなったし、少子化現象もあって、はっきりと読書をする人が減ったように思う。かくいう私も読書家と云うにはほど遠い人間だ。文学本などは若い頃に読んだ程度である。 しかし、誰だったか忘れたけれど、戦後で本当の文学者と云えるのは遠藤周作だけだと言っていたのを聞いた事があって、それが妙に心に引っかかっている。実は、それが若者の読書離れの原因にもなっているのではないかと思うからで、さらにその読書離れが、若者から「我慢」と言う言葉を希薄にさせてしまっているのではないかと危惧するのだ。 若者がすぐにキレたり自殺したりする原因の一つには読書離れがあると思う。どんな時代のものでもいいから若者に本を読ませることにより、自分以外の人間の生き様を理解させることが出来れば、それだけで確実に若者の自殺は減ると思うのだが早計だろうか。
by antsuan
| 2008-02-10 21:31
| 文学・教育・科学・医療
|
Trackback(2)
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Comments(15)
Tracked
from 墓の中からコンニチワ
at 2008-02-11 09:41
タイトル : 本当はどうなんだろう?
11月17日付だから前号になるが『週刊ダイヤモンド』が「うつ」の特集を組んでいた。書き出しは うつ病を「心の風邪」と表現する医師がいる。誰もがかかることがあり、治療すれば治るが、放置して悪化すれば死を招くからだ。最近は30代を襲う“新型”が続出したり、子どももおとな同様の有病率であったりと多様化し蔓延している。 となっているが、私が接した精神科医の見解は アレルギー体質が変わらないように、鬱気質が変わることもない。 アレルギーを持っている人がアレルゲンに近づいてはいけないように、鬱...... more
Tracked
from 墓の中からコンニチワ
at 2008-02-12 09:54
タイトル : 答えてください!
ヒョンな偶然から私の病気についての3rd opinionを得ました。 生来、あるいは国民学校2年生の時に大阪で食らった機銃掃射がきっかけで「鬱」気質が埋め込まれているようだ。 以後の、比較的明るくて活発な生活はすべて「仮面」であり、学生時代の「離人症」、サラリーマン末期の「Panic Disorder」、そして今回の「短時間覚醒」のように時々その仮面が剥がれる。「仮面疲れ」とでもいうのだろうか。 そこで私は↓のコメントでも書きました物心ついたときからの疑問をぶつけてみました。 「(仮面を被...... more
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realutopia at 2008-02-10 23:59
馬鹿でも自殺しますし、頭のいい人も自殺します。
作家が死んじゃうくらいですから。 私のよく知っている人は大変な読書家でしたが、死を選びました。 自殺の引き金はノイローゼですが、その要因が増えた背景もありますし、増えすぎた人口の調整弁である可能性もあります。
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Count_Basie_Band at 2008-02-11 15:57
特にユダヤ三教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)の諸国では、自殺が発生しても日本のように動機を深く追及しません。基本的に「鬱病」の発作の一つに過ぎず、動機に見える出来事もチョットした引き金に過ぎないからです。
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antsuan at 2008-02-11 20:16
・realutopiaさん、ノイローゼを治すことも重要でしょうが、その引き金になるものに何とか安全装置をつけられないものかと思うのです。キリスト教の聖書とかイスラーム教のコーラン仏教の経典などを読むか、あるいは空手などの「道」を究める努力をする。とにかく引き金に触らない方法を自ら見つける手段として読書は有効ではないかと思うのですが。
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antsuan at 2008-02-11 20:16
・Count_Basie_Band さん、そこに一神教のまやかしがあると思うのです。あの宗教の世界では、ふくよか肉体かがい骨しかありません。つまり餓鬼の概念が無いのです。戦後に吹き込まれたキリスト教的民主主義による「餓鬼」の概念を否定した結果が、今の若者の自殺を抑える安全装置の除去に繋がったのではないでしょうか。
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anthonberg at 2008-02-12 05:18
若い人達の自殺者は宗教などの事までは考えていないのではないでしょうか?大人になったから色々な事を外側から考えられるけど、自分の事しか考えられないから楽な道だと思い込んで死を選んでしまうんですよね。今の日本は変わってしまいましたね。私の親世代、戦争を経験して立て直した人達が子供に苦労をさせないように育ててしまって、その私の年代の親達が子供を甘やかすようになってしまいました。自分さえよければという考えがいけない事だと教えられながら、他の人がこうだから、私も、というような考えも出て来て、今では自分の子供を守る事だけになってそれが過保護になり、色んな問題も出ているのだと思います。
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anthonberg at 2008-02-12 05:18
長いので分けました。
デンマークの自殺者はそんなにいないのですが、いてもニュースになりません。自殺も本人が選ぶ道であって、やはり鬱病などの病気の人ばかりだそうです。鬱の人でも自由に生きていける(勿論危険人物は別)ような環境だから自然に生きる事を選んでいます。 生まれた時から人間は神様の作った世界の奴隷で死ぬまで自由がないと言った人がいます。でもその中でどのように生きるかを考えられないのはやはり問題で親が、学校が、近所が教えていた事がどんどん欠けて来ているから自殺に限らず色々な問題が増えているのではないでしょうか?
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antsuan at 2008-02-12 09:23
・anthonbergさん、自殺に関しては大人と子供とは区別して処方するのが適切ではないかと思うのです。確かに恋の病などで自らの命を絶つ人もいますが、鬱病とかノイローゼなどの精神的な病気は文明病と云っていいでしょう。そういう精神的病を癒すために、人間はお酒を飲んだりタバコを吸ったりして、一時的にせよ、引き金に手をかけないようにする術を知っているのだと思います。とすれば、若者にもそれに代わる安全装置を取り付ければだいぶ違ってくるのではないでしょうか。それには宗教でもいいですし、詩を書く事でも構いませんし、歌を歌う事でも云いように思うのですが、自分の心の中に溜まった悩みを吐き出す術を、大人がもっと考えて与える事が出来るのではないでしょうか。
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Count_Basie_Band at 2008-02-12 10:44
antsuanさん
揚げ足を取ります(笑)。 >一神教のまやかしがある 「まやかしのない宗教」って存在し得るのですか。人間の弱さ、醜さ、凶暴さを「まやかす」のが宗教なのではないでしょうか。 そして一見客観的に見える統計にも「まやかし」「社会的背景」があります。 以前の大都市圏、および現在でも地方では、自宅で自殺やDVによる死者が出た場合、死亡診断書を書く医師に別途「お礼」をすれば「自然死扱い」にしてくれます。今回の力士の事件もそうだと思います。昔「東尋坊」、後に「中央線」に飛び込んだ場合も、肉親が頼み込めば警察は「自殺」の発表を伏せてくれます。 ところが、近年は「自宅での死亡」は原則として「変死」とされ、対外発表されると共に統計にカウントされます。 自殺者の数は、本当はそんなに増えていないのではないでしょうか。戦時中は、招集を嫌って自殺する少年たちの噂が絶えなかったものです。 ついでですが、「自殺は遺伝」とする説が世界的に固まりつつあるようです。
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rabbitfootmh at 2008-02-13 10:31
antsuan さま
TBありがとうございます。 遠藤周作のキリスト教解釈は、浅薄というか、独り善がりだと思うので、個人的には、あの方の作品は高く評価してないのですが・・・日本では、若い頃にあまり「思想書」を読まないので、コトの本質を考えようとする力が不足しているのだと思います。 といっても、原文がわざわざ「難解」に翻訳された、哲学書を読んでも、あまり役には立たないだろうとも思いますけど(苦笑) 学校の教師が、「まともな本」を知らないのも、子供たちの精神をダメにしている原因かもしれません。
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antsuan at 2008-02-13 22:24
・Count_Basie_Bandさん、それを言っちゃおしまいですよ。
確かに、自殺者数は昔からそんなに変わっていないのでしょうね。凶悪犯罪数も実際はそれほどの変化が無いとか。しかし、自殺の引き金になるきっかけは一見すれば何と云うことも無いようなことが多いのですから、それを若者に気付かせれば、いや、まやかせれば、それで何ともなく過ぎて行くのではないかと思うのです。
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antsuan at 2008-02-13 22:28
・rabbitfootmhさん、「道」を極めるって難しいことでしょうが、日本にはいろんなものに極める「道」があると思うのです。若者にはそれに気付いて欲しい。夢がなくても「道」があると。
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Count_Basie_Band at 2008-02-14 08:26
>・Count_Basie_Bandさん、それを言っちゃおしまいですよ。
ゴメンナサイ。 >確かに、自殺者数は昔からそんなに変わっていないのでしょうね。 高校の同期生400人中4人が20歳になる前に自殺しました。しかし、それぞれ最もらしい病名が付けられていました。 >自殺の引き金になるきっかけは一見すれば何と云うことも無いようなことが多いのですから、 彼等にとっては森羅万象、何でも引き金になるようです。良心的な精神科医は森羅万象の見方、解釈を変えさせるよう努力するそうですが...
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antsuan at 2008-02-15 00:23
・憂国の情はペルソナの心 http://antsuan.exblog.jp/2135428/ に書いたのですが、私は三島由紀夫の自殺となだいなだの批評によって人生がひっくり返り、力の抜いた生き方が出来るようになりました。
Count_Basie_Bandさん、自殺って恋と似たようなものかも知れませんね。だとしたら思いとどまらせることは無意味なのかも・・。 でも、それでいいのか悩みます。いや、大丈夫、その程度の悩みで死んでいたら命がいくつあっても足りません。(笑)
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バカですか?
at 2008-06-26 23:22
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若者の自殺はべつに多くないです。
むしろ戦後の若者のほうが何倍も多く自殺しています。 また、日本の若者の殺人率は世界最低です。30代、40代のほうが多く人を殺しています。 社会の不健全性を若者に責任転嫁しないでください。 社会の不健全性の責任は年長世代にあります。
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antsuan at 2008-06-26 23:51
・今頃コメントをもらってもねぇー
こちらが言いたいことは、己以外の者の気持ちを理解しようとする心を持つことが、若者には必要だと云うことです。 |
平成15年(西暦2005年)3月開設
世の中、理不尽なことが多すぎます。それが普通の世界だということがようやく分かってきました。しかし人間として生きるためには獣のように本能に心をゆだねるのではなく、精神をしっかり持たねばなりません。「健全なる肉体に健全なる精神を宿らしめよ」を自戒の言葉に、右左あんつぁん(東北弁で臍曲がりなこと)の本領を発揮して、いろいろ書いてみたいと思います。どうぞ宜しく。
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