2007年 02月 05日
朝鮮の近代史
これは梟通信~ホンの戯言君は知っていたか?日本が朝鮮でやったことを 片野次雄「李朝滅亡」(新潮文庫)へのトラックバックです。
小説家でありまた日本のジャーナリストの草分的存在であったの梶山季之氏のことは「ポルノ作家の思い出」に書きましたが、朝鮮の京城生まれで五木寛之と同じ小学校に学び敗戦後の引き揚げ者だった彼は、朝鮮人の気持ちを自分のことのように理解出来る日本人のひとりでした。 私から見れば、彼の思いは軸足を日本人としてではなく朝鮮人において思考していると思えるほどです。私はまだ読んでいませんが直木賞候補になった「李朝残影」もその思いの中で書かれた作品ではないかと推察しております。彼の生涯のテーマは、朝鮮、移民、原爆とも云われていて、移民に関してはユダヤ人についても感情移入するところがあったようです。 片野次雄氏も梶山氏と同様の思いで「李朝滅亡」(新潮文庫)を書いたのではないでしょうか。しかしその結果、日本人の立場から朝鮮の歴史を見ることを否定する風潮が幅を利かせているようでちょっと気掛かりです。真実は国によって違っていてもいいと思います。たとえば米国の歴史は移民者の白人から見たものと原住民から見たもの、そして奴隷として送られてきた人のものとでは違うはずなのです。また、勝者から見たものと敗者から見たものは違って当然です。 朝鮮の近代史において日本が係わっていた事実を忘れないようにすることは重要ですが、朝鮮戦争後五十年を経たいまでも、朝鮮・韓国の日本に対する評価が儒教的であることを考えると、福沢諭吉の云う「脱亜入欧」をいま一度考慮する時期に来ているのではないでしょうか。
by antsuan
| 2007-02-05 16:26
| 思想・瞑想・時代考証
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Comments(4)
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saheizi-inokori at 2007-02-05 18:52
記事を取り上げてくださりありがとう。
片野さんが朝鮮側から書いているかどうか私には判りません。 私が不勉強だったのかもしれませんが、余り日本が朝鮮でやったことは日本の子供や若者に(中年以上もかもしれませんね)教えられていないように思いました。 私のブログに書いたように事実の評価は人によると思いますが、事実そのものは出来るだけ共通認識を持つことが相互理解につながると思います。 更にその事実把握・認識に違いがあって埋めることが出来ないのならそのこと自体を、又事実に対する評価の違いについても認識しあわないと相手の言ってる事がむちゃくちゃに聞こえるだけになってしまうと思います。
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antsuan at 2007-02-05 19:35
・史実が伝えられないことも問題ですが、謀略による捏造だけでなくマスコミによる捏造まで横行していることも気掛かりです。
朝鮮については隣国(人)という特別な思い入れが少し邪魔をしているようにも思えるのです。
韓国・北朝鮮に同情的で日本を絶対悪とする歴史観は逆に若い世代には歴史を分かりにくくさせると思うのですよ。
それよりも金玉均と福沢諭吉の男の友情、李垠殿下と方子さまの夫婦の愛情をを伝えることの方が重要だと思うのですが。
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antsuan at 2007-02-05 23:23
・イヤー、全くその通りです。自虐的歴史観というのも事実を歪めてしまうと思います。山口県人から見た幕末と会津の福島県人が想う幕末は違っているように、史実は切り口(立場)によって違うという共通認識を持つ必要があるのではないでしょうか。
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平成15年(西暦2005年)3月開設
世の中、理不尽なことが多すぎます。それが普通の世界だということがようやく分かってきました。しかし人間として生きるためには獣のように本能に心をゆだねるのではなく、精神をしっかり持たねばなりません。「健全なる肉体に健全なる精神を宿らしめよ」を自戒の言葉に、右左あんつぁん(東北弁で臍曲がりなこと)の本領を発揮して、いろいろ書いてみたいと思います。どうぞ宜しく。
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