あんつぁんの風の吹くまま

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記録抹殺という官僚のモラル喪失


 役人の最低限の使命に記録を残すと云うものがあるが、この外してはいけない義務すら守らないほど日本の役人は腐敗している。そんなことはとっくに分かっていたけれども、実際に内部にいた人から聞くとやはり衝撃的と云わざるを得ない。「インテリジェンス 武器なき戦争」手嶋龍一氏と佐藤優氏の対談形式の秘密情報の暴露を読んで、敗戦と云う大失敗をしても戦前の腐敗組織を肥やしつづけていることに驚愕するばかりだ。

 この本によると、ヤルタ会談の密約、つまりソ連の対日参戦と云う重大情報を、スウェーデンのストックホルムに駐在していた小野寺信少将が掴み、日本に打電したのにも係わらず、それを受け取ったと云う記録が全く残されておらず、完全に抹殺されていたと云う事だ。この重大情報を握りつぶしたのは誰なのか、戦争責任を追及している報道機関はこのことを声高にして検証するべきだろう。

 何故ならば、今なお重大な情報は各省庁内で握りつぶされ内閣官房には伝わっていないからなのだ。このような現実の中で日本版国家安全保障会議のような組織を作ったとしても、都合のよい情報に振り回された戦争中の大本営会議となんら変わらないものになるのは間違いがない。
by antsuan | 2007-01-16 16:54 | 情報通信・パソコン | Trackback | Comments(6)
Commented by cazorla at 2007-01-16 20:28
真珠湾攻撃の時 アメリカは暗号をすでに読みとっていたのに
そのあたりをなぜもう少し検証して戦争を進める または やめる という決断に行かなかったのか。 ずっと同じ暗号を使ってたんですよね。
戦争のことはまだなぞがいっぱいですね。
Commented by antsuan at 2007-01-16 22:53
・米国は数学者を暗号解読のためにどんどん重用しましたが、日本は縦割り意識の強い軍部官僚が数学者の助けを借りる事を嫌い暗号解読に後れを取りました。この一つをとっても戦前からの縦割り行政をあらためないと日本は良くならない事が分かります。過去の秘密をどんどん明らかにして検証し、歴史の反省を未来の平和のために役立てたいものです。
Commented by mitsuki at 2007-01-17 22:38 x
戦中、山本長官機が撃墜されても暗号が解読されてる事に気付かなかったといいますからかなり重症ですね。
現在、北朝鮮に対しても山崎さんは案の定無駄足踏んで帰って来たみたいですが、結局政府もマスコミも肝心な事は何も知らないのではないのでしょうか。
Commented by antsuan at 2007-01-18 10:08
・暗号表の表紙がパープルだったことを知っていたところを見ると、実際は暗号表そのものを持ち去られていた可能性が大です。そういう大失態もひた隠しにしているんです。アベちゃんが官僚抜きの国家安全保障会議を作りたい気持ちはよく分かります。
Commented by saheizi-inokori at 2007-01-18 10:18
イラク開戦前にCIAの内部ではどう調査してもイラクに大量破壊兵器は存在していない、という報告があったのに、握りつぶされた。
アメリカの日本化?
不二家みたいな会社も当然不都合な記録は残してないと思いますね。
Commented by antsuan at 2007-01-18 15:55
・米国は情報(インテリジェンス)の使い方を間違えただけですが、日本は情報の価値すら解らん連中が支配している悲しい社会なのです。