あんつぁんの風の吹くまま

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超個人主義の人間は『同じもの』を認識出来ない野獣のようなもの

 解剖学者の養老孟司によると、人間は知性による言語を駆使することによって「同じ」を認識するが、感性だけの犬や猫などは「同じ」という認識がないのだそうだ。

 確かに、犬や猫が、鏡に映っている自分の姿を見て、自分と同じとは認識出来ずに騒ぎ立てている光景を目にする。

 しかし、感性だけの動物が劣っているかといえばそうではないだろう。人類は感性が劣ったことによって知性を駆使せざるを得なくなったと考えるのが妥当といえる。理想は感性を失わずに知性を磨き上げることなのだ。

 かつての日本人は、夏目漱石の「私の個人主義」に在るように、「個人」の中に私と公の両方が在ることを認識していた。しかし、現代はそういう知性が大分希薄になってきてしまったように思う。

 日本語文化を失うことは日本文明が消滅することである。

 言葉こそ文明の基礎であることを、今の日本人は再認識する必要が在るのではないだろうか。

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             *  *  *

    正義と博愛の満ち溢れる社会を目差して

by antsuan | 2018-10-25 12:22 | 文学・教育・科学・医療 | Trackback | Comments(0)