あんつぁんの風の吹くまま

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田中角栄は天才だったか? ロッキード事件の真相


 田中角栄はもう40年以上前の政治家なので若い日本人は全く知らないといっていいはずである。

 そういう、事件の真実を知っている人たちが第一線を退く頃になると必ずといって好いほど事件を捏造し、あたかもそれが真相であるかのように広めようとする悪巧みを働く連中が出てくる。もちろん、その反対に真相が暴露されることもあるけれども、往々にして悪巧みを働かせる連中が歴史を作っていくので、気を付けなければいけない。

 田中角栄は節操もないほど露骨に利権を貪る政治家だった。それまでの戦後の政治家も利権を貪っていたが田中角栄ほど露骨ではなかった。

 というより、それまでの政治家は米国の提灯持ちをしっかりやっていたが、田中角栄はその提灯持ちを止めてしまったので、ニクソンから恨まれたのである。

 ロッキード事件の真相は、ニクソン大統領とロッキード社とがズブズブの関係だったのが暴露された米国本国のスキャンダルだった。それをニクソンは日本の総理大臣とロッキード社がズブズブの関係であったかのように真相をはぐらかしたのである。

 当時の米国はベトナム戦争の泥沼に嵌まって過去の戦勝国の栄光が崩れ落ちる寸前だった。逆に敗戦国の日本は朝鮮戦争特需で息を吹き返し、さらにベトナム戦争の特需で、まさに世界経済を引っ張る一流国になったのである。

 弱り目のニクソン大統領の怒りが爆発するのは当然のことだったといえよう。

 そういう米国大統領の窮地を理解出来なかった田中角栄は、石原慎太郎が本にしたような天才なんかではなく、惨めなピエロだったのである。

 その逆に、小泉純一郎はブッシュ大統領の窮地を理解し、見事な提灯持ちをしてイラク戦争の泥沼にうまく誘い出した。そして政界を引退して堂々と提灯持ちを辞め、米国を路頭に迷わせ没落させたのである。

 従って、天才というのは小泉純一郎のことを云うのであって、田中角栄のような政治家を云うのではない。


           *  *  *

     正義と博愛の満ち溢れる社会を目差して

by antsuan | 2018-04-03 18:34 | 思想・瞑想・時代考証 | Trackback | Comments(2)
Commented by mimizu-clone at 2018-04-03 21:07
天才かどうかわかりませんが、角栄さんは僕の中では光ってる人です。
政治家に限らず、一切の私的利権と無関係なんて人がいるとは思えません。
一億盗もうが一円盗もうが等しく断罪されるべきと僕は思うのですが、どうも一億盗んだら極悪人に認定されるんですよね。僕はどうもそれが嫌いです。
そんなわけで、自分の行いを棚にあげて人の悪口ばかり言ってる連中が好きになれなくて、角栄さんみたいな人(いわゆる悪代官?)を応援したくなります。
その意味では小泉さんもかな。
やめてから原発反対なんて、人間らしくて好感がもてます。
Commented by antsuan at 2018-04-04 06:59
・悪徳商人から金を盗むねずみ小僧と、多くの庶民の金を巻き上げる王様や政治屋とは同一視するべきでないと思います。
角栄を応援する人は単に戦争特需の泡銭を少しでも手に入れた人のような気がします。