あんつぁんの風の吹くまま

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新しい店

 我が家の庭向かいに新しい家が建った。祖父の時代から住んでいた人が一昨年の台風で一人暮らしに不安を覚えて娘さんのそばに引っ越してしまったのだ。白い洋風の屋根裏部屋のある家はクリスマスのイルミネーションがひときわ鮮やかで、袋小路だと云うのに人通りが絶えず、正直言ってこちらが落ち着かない。おかしいなと思っていたら、目のいい友人が目ざとくカフェと横文字で書いてある看板を見つけた。

 家内もそれにはびっくり、炬燵に入って庭の向こうを通る人の数を数えている。反対に透けすけの生け垣からこちらの様子もすっかり見えているようだ。意を決して挨拶を兼ねてそのお店に入ってみた。ご主人はパイロットらしい。と云う事は奥さんはスチュワーデスだったのかも知れない。そんなことよりも、コーヒーを注文して窓の外を見てみると、やはりボロボロの我が家が丸見えである。店の中の真新しい綺麗な室内と全く対照的な外の景色にがく然となった。

 しかし、今更見栄を張ってもしょうがない。家を修理するにしても古いだけに半端な費用ではないのだ。せいぜい子供たちに庭の掃除を手伝わせて綺麗にする事ぐらいしか出来ないだろう。今年は海に出る時間よりも庭の掃除の時間の方が多くなりそうだ。

   双六の遊びに庭の松青く
               加賀谷凡秋
by antsuan | 2006-01-02 16:21 | 身の回り・思い出 | Trackback | Comments(0)