あんつぁんの風の吹くまま

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壊れたらすぐに直せないような機械を作るから、検査結果を誤魔化したりするのじゃないだろうか。

関電が堺港火力発電停止 タービン損傷で再開に数カ月
産経新聞8月14日(日)20時2分

堺港発電所2号機で破損したガスタービンの羽根(関西電力提供)
 関西電力は14日、堺市にある火力の堺港(さかいこう)発電所2号機(出力40万キロワット)でトラブルが発生し、13日朝から運転を停止したと発表した。ガスタービンの羽根の一部に損傷が見つかったといい、運転再開までには少なくとも数カ月以上かかるという。
 関電管内では7月、不具合で停止した火力の姫路第2発電所5号機が同月14日に再開したばかり。夏場の電力不足を回避するため、関電では火力発電所を最大限活用する計画だが、堺港2号機の停止で、電力確保は一段と厳しくなりそうだ。
 関電によると、堺港2号機では13日午前10時40分ごろ、ガスタービン内の異常を示す警報が作動し、自動停止。設備の冷却を待って14日昼に内部を目視で点検したところ、タービンの羽根295枚のうち一部に損傷が見つかった。
 関電では今後、原因究明を進めるとともに補修作業を行うが、損傷範囲や部品の調達具合により、再開には少なくとも数カ月以上かかるという。
 関電管内の8月後半の供給力見込みは2978万キロワット。関電では現在、原発11基のうち7基が停止しており、火力発電所を最大限活用する方針を打ち出しているが、堺港2号機の停止でさらに供給力が低下する。
 堺港2号機の停止について、関電は「電力不足の中で影響は大きいが、さらなる節電をお願いするとともに、電力確保に努めたい」としている。

 以前に堺屋太一が「零戦型モノづくりが日本を滅ぼす」と言っていたけれども、いよいよそれが現実になってきたようだ。

 「零戦型モノづくり」とは、熟練工でないと作れないような一種の工芸品製作のことで、量産に不向きなことから製作費用はべらぼうにかかり、なおかつ壊れたら修理不能か修理そのものにそうとうな技術を要して非効率きわまりない製品づくりを意味している。

 米国は零戦のように高度な軽量化を図らず、大馬力のエンジンを積んで運動性能は無視するかわりに、機関砲を沢山取り付けて「数打ちゃ当たる」の新米パイロットでも操縦出来る戦闘機を作った。

 松下電器は、業務用の精巧なもの造りより民生品として使える使いやすさを追求した。一種の米国型ものづくりである。

 航空機にしろ大型発電機にしろ、機械である以上は必ず壊れるものだ。そういうことを念頭において、すぐに修理出来るようなものを作らないと、結局は役に立たないものになってしまうのだ。
by antsuan | 2011-08-16 23:36 | 文学・教育・科学・医療 | Trackback | Comments(8)
Commented by HOOP at 2011-08-17 00:13
三菱が誇る零戦方式だから、数ヶ月の停止で済むのでは?
そうでなければ、故障率が高くなり、年中止まっていることに、、、
Commented by sweetmitsuki at 2011-08-17 05:36
現場の人間として言わせて頂きますが、問題は零戦型モノづくりにあるのではなく熟練工の不在なのではないのでしょうか。
学歴ばかりを重視して、現場や工場で汗や油にまみれて働く人びとの社会的地位を低く見てきたツケが回って来たのでしょう。
日本人は日本人にしか作れないモノを作り続けていく以外、世界市場で生き残る道はないと思います。
零戦型モノづくりをやめてしまったら、それこそ日本は終わってしまいます。
Commented by nakanokeiichi at 2011-08-17 06:37
タービンんも羽が少しくらい欠けたって大丈夫  止めて原子炉動かす脅しに使ってるんだよ  まだまだ 諦めてないから。
Commented by Emitan at 2011-08-17 08:37 x
全てのコメントに納得しました。先日トヨタ系の軽トラのネット相談を見ていたら、購入日に一日四駆で走ったら、タイヤが可也磨り減って居たがどうして?と言う質問でホンダとスバル以外は4輪が同調する様には造っていないから乾いた道路では四駆では走らない様にと回答して在りました。スバルはマジメに造りすぎたからと言う理由で、親会社から自社生産を中止して、同列メーカーの製品をOEM販売する様に支持されたそうです。そこで毎日激しく利用している赤帽組合が耐久性の問題で存続を嘆願したと言う話を聞きました。悪徳病院は儲けたお金の一部で最新設備を揃えて世の中に貢献出来たが、マジメな病院はお金が無いので、先端医療が出来ない!何が大切なのでしょう?
Commented by antsuan at 2011-08-17 10:14
・HOOPさん、そんな機械は役立たずなのですよ。
応急修理でミッドウェー海戦に参戦した空母ヨークタウンが良い例です。空母ヨークタウンが参戦出来たからあの戦いにアメリカは勝ち歴史が変わったのです。逆に、日本海軍は航行不能になった空母赤城を自らの手で沈めるという匠的モノづくりから来る間違いを犯して日本は負けたのです。
スペースシャトルが長い歳月就役出来たのも同様のアメリカ型モノづくり精神が生きていたからです。
Commented by antsuan at 2011-08-17 10:14
・mitsukiさん、言わんとしている思いはよく理解出来ます。私自身、堺屋太一の指摘に同じ反発を感じたからです。確かに、工芸品的モノづくりが日本人の得意とする匠の精神でもあります。
 若い頃、保線用車両であるオーストリー製のマルチプルタイタンパーを修理したことがありますが、現場の作業員でも修理出来るようになっていました。ロンメルの戦車が砂漠で故障して直せなかったら軍用には適さない機械であることは明白でしょう。同様に部品が壊れて何ヶ月も使えない発電機は業務用機械としては失格なのです。
Commented by antsuan at 2011-08-17 10:16
・nakanokeiichiさん、おっしゃるとおり、三菱だったら、この程度の破損は少し出力を落す程度で充分対応出来るように造られているはず。
これで、三菱のガスタービン発電機は外国では買ってもらえなくなることでしょう。三菱は自分の首を絞めていることになります。
Commented by antsuan at 2011-08-17 10:17
・Emitanさん、割り切り方の違いでしょうね。
CTスキャナーも同様で、東芝製は精密で画像も素晴らしい。GE製は造りが粗くて画像もいまいち精度がよくない。しかし、多少粗い画像であっても診断するには差し支えないので、ベテランのエックス線技師がいなくても、緊急時にすぐに操作出来る機械のほうが、医療用としては優れているということになります。