あんつぁんの風の吹くまま

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勝者の使命

「目には目を歯には歯を」の復讐合戦はいつまで続くのであろうか。
手軽な殺戮兵器から、高度な殺戮兵器まで、実にさまざまな人殺しのための道具が開発され、今もなお作り続けられている。これは麻薬の撲滅よりももっと質が悪く、もっと難しい問題なのではないのか。

米国のブッシュ大統領はアルカイダのオサマ・ビンラディン指導者の作戦にまんまと乗せられてしまった。ビンラディンは貧しいイスラムの社会に世界の目を向けさせるのが狙いだったのだ。キリスト教社会だけが、ぬくぬくと平和な生活を味わっているのを気に食わなかっただけなのだ。

しかし、そのことに気がついてももう遅い、エイズで人が死ぬのと同じように、殺し合いというのは、人間に最初から住み着いている心の病気なのだろう。二十一世紀は人類消滅の世紀かもしれない。

人々を平和にすることがいかに難しいか。科学が発展し、世界が狭くなればなるほど、簡単に人を殺すことが出来、簡単に平和を崩すことが出来る。スマトラ沖の津波の災害を見れば、人間は自然の力に対して無力であるにもかかわらず、自然との戦いを忘れて殺し合いをしている。

戦争を輸出するのは簡単だが、平和を輸出するのは難しい。しかし、ここまで来たらブッシュ大統領はイラクを米国以上の平和な国にしなければならない。それが戦いに勝った者の神からの使命なのだ。

マッカーサー元帥は、戦艦ミズーリー号上において、「勝者は敗者を背負わなければならないのです。これは神学的なことなのです」と、演説した。名言だと思う。
by antsuan | 2005-07-10 21:57 | 思想・瞑想・時代考証 | Trackback | Comments(0)