2010年 06月 08日
大津絵『冬の夜に』を聴く読売新聞に、この五代目古今亭志ん生の大津絵「冬の夜に」と小泉信三の涙について書いてあって、そのことは前に紹介したけれども、火消しの親分っていうのは、いまで言うと民兵組織の大将みたいなものだったんでしょう。その銃後を預かるおかみさんの気持ちっていうのが、この「冬の夜に」に謡われているのです。 前にも書きましたが、火消しの親分のおかみさんッテェのは、武士の妻みたいに立派だったんですねぇ。そのことをわたしが理解したのは、「べらんめえ大将」という勝海舟の本を読んでからですので、最近のことです。 銃後を守るさびしさ。それは戦争や災害を体験したものでないと分からないものだと思いますが、助けてくれる人がいなくなってしまうのですから、ものすごく不安で切ないものだということは想像出来ます。ましてや「流れる星は生きている」の藤原ていさんみたいな、壮絶な体験を覚悟しなければならないと思うと、尋常にしていられるわけはありません。 戦災で焼け出されたことがあれば、なおさら身にしみてくる悲しさです。そして、戦場に送りだした夫や息子が戻ってこなかったとしたら、それはもう涙が止まらなくて当たり前です。 日本人ッテェのは本当に人情がありますなぁ。
by antsuan
| 2010-06-08 08:14
| 文学・教育・科学・医療
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Comments(2)
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saheizi-inokori at 2010-06-08 22:50
大津絵と五人回しが並んでるのも落語ならではですね^^。
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antsuan at 2010-06-09 10:13
・佐平次さん、どちらも女心を如実に物語っているようで、何とも言えません。
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平成15年(西暦2005年)3月開設
世の中、理不尽なことが多すぎます。それが普通の世界だということがようやく分かってきました。しかし人間として生きるためには獣のように本能に心をゆだねるのではなく、精神をしっかり持たねばなりません。「健全なる肉体に健全なる精神を宿らしめよ」を自戒の言葉に、右左あんつぁん(東北弁で臍曲がりなこと)の本領を発揮して、いろいろ書いてみたいと思います。どうぞ宜しく。
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