あんつぁんの風の吹くまま

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司法の崩壊現象

アキれた冒頭陳述
2009年6月23日(火)10時0分配信 日刊ゲンダイ

 まるで子供の作文のようだった。東京地裁で19日開かれた西松建設の国沢幹雄・前社長(70)=政治資金規正法違反罪など=と、藤巻恵次・元副社長(68)=外為法違反罪=の初公判をめぐる検察の冒頭陳述(冒陳)のことだ。検察は西松が小沢氏に献金した背景に30年以上前の東北地方のゼネコン談合を挙げた上、何ら証拠も示さないまま「小沢事務所が『天の声』を出した」というムチャクチャな論理を展開したのだ。

●「天の声」なんてマスコミ向けの言葉で…

 公判は即日結審し、検察は国沢に1年6月、藤巻に懲役6月を求刑。だが、この裁判ではそもそも、西松が中国や香港にペーパーカンパニーをつくり、組織的に捻出した億単位の「裏金」を国内に持ち込んだ外為法違反事件の方が、「表金」を記載していた政治資金規正法違反事件より圧倒的に悪質だ。

 それなのに検察は外為法違反の方は軽く触れるだけで、公判の大部分を政治資金規正法違反に費やしたのだ。

「本来は国沢、藤巻両被告の審理を粛々とやればいいだけです。しかし、検察は西松と小沢事務所の関係や、小沢秘書の大久保隆規被告=政治資金規正法罪で起訴、保釈=の“供述”まで持ち出し、必要以上に『悪質さ』を強調した。大久保はこの裁判の被告じゃないから何も反論できないし、真偽だって怪しい。検察の暴走としか言いようがありませんよ」(司法記者)

 検察が公判開始前の被告の実名を挙げ、「供述内容」として別の公判の“証拠”に使う——。こんな欠席裁判が許されたら、司法制度は崩壊だ。そんな“暴走陳述”の極め付きが「天の声」だ。

●具体的証明は一切ナシ

 検察は、昭和50年代初めに東北地方にできたゼネコンの談合組織に対し、小沢事務所の意向(天の声)が影響力を持つようになったと指摘。このため西松も献金し、岩手や秋田で4件の工事を落札したと説明する。

 だが、この「声」がいつ、どこで、どのように行われ、公共工事の受注にどう結び付いたのか——という具体的証明は一切ナシだ。

「ゼネコン業界でいう隠語の『天の声』は、知事や市長といった公共事業発注側のトップの言葉を指す。発注側の意向は絶対だからです。国会議員とはいえ、野党議員の地元事務所の意向で受注が左右されるほど、ゼネコン業界は簡単じゃないし、時代が古過ぎる。民主党の渡部恒三最高顧問は『天の声なんて徳川時代の話みたいだ』と言っていました。だいたい、検察は『談合があった』と認定するなら、なぜもっと早く談合罪やあっせん収賄罪などで捜査しなかったのか。怠慢捜査を認めているようなものですよ」(司法記者=前出)

 元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士もこう言う。

「冒陳では、小沢事務所や談合の悪質さをやたらと強調し、この先開かれる大久保被告の裁判に悪いイメージを世論に与えようとしているかのようです。特に『天の声』という言葉は曖昧で、単純化してマスコミの記事に取り上げやすくしているようにしか思えません」

 検察の暴走はいつまで続くのか。

(日刊ゲンダイ2009年6月20日掲載)



>検察が公判開始前の被告の実名を挙げ、「供述内容」として別の公判の“証拠”に使う——。こんな欠席裁判が許されたら、司法制度は崩壊だ。

 全くその通り。五大新聞や大手放送会社は役人に懐柔されているから分かっていても言えない。しかし東京新聞や地方の新聞はそうではない。まして、週刊誌系の報道機関はしっかり国民の目線で行政を監視していると思う。
 
 頑張れ! 噂の眞相イズム。
by antsuan | 2009-06-25 05:53 | 情報通信・パソコン | Trackback | Comments(2)
Commented by みみずすまし at 2009-06-25 13:35 x
検察も神頼みということではないんでしょうか?(笑)

裁判官が検察の寝言を途中で制止しなかったことも疑問視されてますよね。
Commented by antsuan at 2009-06-25 14:57
・みみずすましさん、検察は、内閣がドジを踏むから俺たちが尻拭いをさせられているんだとぐらいに思っているのじゃないでしょうか。
今、イランでは民主化のうねりが盛り上がっていますね。我が国も、これで裁判官が検察よりの判決を下したら、革命が起きてもおかしくないと思うな。