2009年 01月 18日
自由の良心
「プラハの春」を知っている日本人が少なくなってきました。その後も天安門事件など、市民の自由を踏みにじる大きな事件が後を絶たない現在、それは仕方のない事なのでしょう。しかし、当時十八歳だった私にとって、「プラハの春」は忘れることの出来ない事件なのです。
市民の自由を奪った「プラハの春」の事件では、チェコスロバキアに侵入したソ連軍が、全ての西側に通じる通信網を遮断して情報封鎖を試みました。しかし、日本の商社のテレタイプ(キーボードが直接電話回線に繋がっていて、先方の電話器から紙に電文が打ち出される通信装置)だけは、東ドイツ経由の回線を利用していたために封鎖されず、プラハの放送記者は、この日本商社の回線を利用して、ソ連軍侵略の様子を東京経由で発信しつづけたのです。 一九六八年、ベ平連、安保闘争などの学生運動で騒然としていた日本でしたが、プラハに比べれば平和そのものだったのです。そのことを未成年の私に気が付かせてくれた事件なのです。しかし、いつしか平和であるはずの日本でも、家庭内暴力、いじめなど、市民生活そのものの基本的自由が失われた社会になってしまいました。 この記事を読んで、自由を奪われたプラハの人に、生きる命の大切さをあらためて教わる日本の現実をみて、深い溜め息をつくと共に、希望を失わず、また明日に向かって歩き続けたいと思うのです。 讀売新聞 平成二十一年一月十八日 朝刊より抜粋 新聞欄をクリックすると大きくなって読みやすくなります
by antsuan
| 2009-01-18 10:07
| 思想・瞑想・時代考証
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Comments(2)
この新聞記事に似た話、映画化されてますね。
半年くらい前に観たんですが、タイトル思い出せない・・・。 安田講堂とかに見られた衝突も、(これまたつい最近読んだのにどこで読んだか思い出せない)規模は小さいけれどフランスでは日常茶飯事敵に起きているのだとか。 まあ、日本は平和なのでしょうね。 ぼけるほど。 派遣村ご一行様なんて書かれた観光バスが走るっていうくらいだし。
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antsuan at 2009-01-18 23:22
・みみずすましさん、そういえばそんな映画があったような気がする。ナチス独逸の時代設定ではなかったですか。
日本人が求めている平和は、他国の人から見たら贅沢に見えるのじゃないでしょうか。あまりに惚けまくっていますよ。 |
平成15年(西暦2005年)3月開設
世の中、理不尽なことが多すぎます。それが普通の世界だということがようやく分かってきました。しかし人間として生きるためには獣のように本能に心をゆだねるのではなく、精神をしっかり持たねばなりません。「健全なる肉体に健全なる精神を宿らしめよ」を自戒の言葉に、右左あんつぁん(東北弁で臍曲がりなこと)の本領を発揮して、いろいろ書いてみたいと思います。どうぞ宜しく。
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