2008年 12月 17日
自給率のインチキ
知力の悪用
文藝春秋 新春特別号より 役人の出すデータというのは殆ど無価値のものばかりということは、大本営発表の嘘の教訓から充分に学んでいるはずなのに、そのインチキを糾弾するマスメディアが無いのも、時代の末期症状といえそうです。 農水省の食料自給率という数字を、多くの国民が信用していないことは充分想像していますが、実際のところ、日本人のカロリーベースでいえば、食料自給率は五十六パーセントに達しています。しかし農水省の計算方式を使うと、外国からの農産物輸入がストップした場合に、なんと自給率が百パーセントになるという、悪意あるインチキな基準を堂々と公にしているのです。もちろん、こんなインチキな計算方式を採用している国は他にはありません。 国際指標である農産物輸入依存度は、国民一人当たりの輸入額で比べると、英国、ドイツ、フランスの約半分であり、農業輸出国の米国と大差ないのです。さらには、農業生産性が飛躍的に向上しているので、我が国の農産物生産量は、カロリー自給率が七十九パーセントだった五十年前に比べて、五百万トンも増えているそうです。つまり、農業従事者が居なくなると騒いでいるのも嘘で、農業従事者一人当たりの生産効率が格段に上がっている証拠なのです。 ですから、その気になれば、何時でも農産物輸出国に早変わりするほどの技術力を持っているというのが本当のところで、食料自給率なるヘンテコリンな指標は、もう役目を終えた農水省を存続させるための、役人の言い訳でしかないのです。
by antsuan
| 2008-12-17 12:00
| 政治・経済
|
Trackback
|
Comments(10)
Commented
by
HOOP at 2008-12-17 18:01
カロリーベースというのは、穀物類についてはそのままの計算でよいのですが、畜産物に関しては、餌として与えた穀物のカロリーをすべて計算します。私はこの方法に納得しているわけではないのですが、牛はもちろん、豚も鶏も、国内で育てられた家畜が食べたぶんの穀物はほとんどが輸入に頼っているために、捨てられているものなどの量では比較にならないのです。
最大の問題点は、このカロリーベースの自給率を、消費者が何をどうしようが、「絶対に」向上させることはできないということなのです。
0
Commented
by
antsuan at 2008-12-17 19:30
・HOOPさん、畜産酪農家を自給率低下の犯人扱いしているのです。悪意がなければこんな基準を作れません。
本当は農業大国なのに、農業従事者を侮蔑する農水省の役人には、自分の糞尿で育った農産物だけを食べてもらいましょうか。
Commented
by
HOOP at 2008-12-17 21:11
ちなみに、世界中どこにもカロリーベースで自給率を計算して(公表して)いる国はありません。
Commented
by
antsuan at 2008-12-17 23:13
・外国が計算していないと云うことは、つまり、農水省が勝手に外国のカロリーベース自給率を弾き出しているってことで、HOOPさん、こりゃ完璧に捏造ですよ。
Commented
by
antsuan at 2008-12-18 07:45
・みみずすましさん、農業をやりたくても新規参入を邪魔しているのが農水省です。医療従事者にもいえることですが、農業は卑しい職業だという役人の考えを露骨に表しているのが、インチキ自給率だと思うのです。
チョットずれたコメントですが、30年程前オイルショックの時に、10年後には地球の石油は枯渇してしまう!と言う政府発表が在ったと記憶していますが、記憶がある方はいらっしゃいませんか?処でみずすましサン私の家は田んぼと畑の中に在りますが、後継者の話は聞いた事がありません!都会で落ちこぼれた人が、帰って来るぐらいです。
Commented
by
antsuan at 2008-12-18 20:08
・Emitanさん、堺屋太一が『油断』を書いた時期ですね。原子力発電所建設を認めさせるための詭弁であったような気がします。
今の農業は農地不要の水耕栽培ですから、農家に帰らない、若い農業経営者がどんどん増えているんだそうで、隠れた成長産業らしいですよ。
antsuan 少し安心しました。でも耕運機やトラクターが農業から減少する事になりそうですね。
Commented
by
antsuan at 2008-12-18 23:20
・Emitanさん、わが国近海はメタンハイドレードの宝庫です。石油が枯渇しても何の心配もいりませんが、やはり化石燃料を使うのは無駄というものでしょうね。
|
平成15年(西暦2005年)3月開設
世の中、理不尽なことが多すぎます。それが普通の世界だということがようやく分かってきました。しかし人間として生きるためには獣のように本能に心をゆだねるのではなく、精神をしっかり持たねばなりません。「健全なる肉体に健全なる精神を宿らしめよ」を自戒の言葉に、右左あんつぁん(東北弁で臍曲がりなこと)の本領を発揮して、いろいろ書いてみたいと思います。どうぞ宜しく。
* * * お断り エキサイトブログ利用規約の禁止行為に抵触するような発言及びトラックバックについては断りなく削除します。 最新のコメント
記事ランキング
検索
フォロー中のブログ
海峡web版 掬ってみれば無数の刹那 (まめ)たぬきの雑記 マイ・ラスト・ソング 草仏教ブログ Hey! Manbow 中野 馨一が創る 外構、... 村人生活@ スペイン mitsukiのお気楽大作戦 九十代万歳! (旧 八... ふらわ~ずroom 夕焼けわんわん♪ 幸せごっこ 旅は靴ずれ世はお酒 私がローマで独りで始めたわけ 飛んでも五分歩いても五分 遺言&形見分け 港座・酒田台町シネマスト... ゆっくり生きる Just The Way... 黙って寝てはいられない!... 俺の心旅 脳梗塞&重症筋無力症闘病ブログ 外部リンク
画像一覧
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... カテゴリ
ライフログ
歴史・伝統文化
政治経済
その他の文庫
タグ
ファン
ブログジャンル
|