あんつぁんの風の吹くまま

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箪笥のおかげ  (終章)


妊婦受け入れ拒否 都内も産科・救急医不足
2008年10月23日(木)3時31分配信 産経新聞

 都立墨東病院は、胎児異常や切迫流産などリスクの高い妊娠に高度医療を提供する「総合周産期母子医療センター」の指定を受けていた。全国74の指定病院のうち都内に9つのセンターがあるなど、地方に比べて医師数が多く、医療体制が整っているはずの都心部でも、受け入れ拒否による妊婦死亡という最悪の事態を防げなかった。専門家は背景に、医師不足などが原因で緊急時に十分な医療が提供できなくなっている事態が都市部でも例外でなくなっていると指摘する。
 総務省消防庁が今年3月にまとめた調査によると、平成19年に救急搬送されたケースは約41万1000件。このうち医療機関に4回以上の照会をした上で搬送先が決まったケースが1万4387件。都内は特に深刻で、11回以上照会したケースは全体の約6割に当たる614件に上った。
 いわゆる「たらい回し」の背景にあるのが医師不足だ。中でも、医師にとって事故の際の訴訟リスクが高く、勤務時間が不規則な産科医と救急医は他の診療科目と比べても、医師不足が深刻化。特に産科医は18年末で10年前に比べて1割減の1万74人となっている。
 日本産科婦人科学会常務理事の岡井崇昭和大教授は「東京は地方に比べて恵まれてはいるが、どこも医師不足などの影響で、産科医はギリギリの状態」と強調。「医師が確保できず十分な医療が提供できない状況は増えており、高度な医療が提供できるセンターもその影響が出た」と指摘する。
 奈良県で昨年8月、妊婦が複数の医療機関から受け入れを拒否され死産した問題を受け、厚労省では同センター拡充など周産期医療の強化を進めているが、即効性のある対策はなく、悲劇が繰り返された格好だ。

         *      *      *


 此の度、「箪笥のおかげ」における過激な発言で、女性の皆様には大変不愉快な思いをさせてしまい、ここにお詫び申し上げます。

 さて、昔から「出産(分娩)は死の危険が伴う生理作用」である事はよく知られているところです。ですから、すべての女性は、そのしっかりとした認識と覚悟が必要です。

 しかしながら、現代においては、助産婦や産科医師に対して百パーセントの安全を要求し、一度出産事故が起きると、この第三者である助産婦や産科医師の責任を追及します。また、医師を絶対視する余り、妊産婦は、産婆さんや助産婦さんを軽視する傾向にあります。

 当然、助産婦や産婆さんの成り手が無くなり、つづいて産科医師も減り、上記新聞記事にありますように、我が国の産科医療の崩壊は目を覆うばかりとなりました。

 これは、出産のための正しい助言と手助けをする産婆さんを、医師と同等の扱いをしなかった女性にも責任があるのではないかと考えるのです。行政の問題にする、つまり、他人事のように考える姿勢に問題があるのではないかと思うのです。現場での対応がどうあるべきか、妊産婦だけでなくすべての女性は、もっと真剣に考えないといけないと思います。

 人間以外の野生のほ乳動物において、雌は自力で普通に出産します。結局のところ人間はだんだん不健康になってきたのではないでしょうか。

 その問題をもう一度問い直し、また、産婆さんの復権を図る事によって、女性が医療技術に頼る事なく、健康的な出産を心がけるようにしなければ、現在の悲劇は解消されないと危惧を抱く此頃です。


 
 
by antsuan | 2008-10-25 12:19 | 文学・教育・科学・医療 | Comments(12)
Commented by 戻りミミズ at 2008-10-25 13:37 x
さしでがましいことを言ってすみませんが、
あんつぁんの中での産婆と助産師の違いを付記した方が、読み手に伝わりやすいと思います。
あんつぁんが「産婆」という言葉にこだわる理由が、理解できない人もいるんじゃないかと。
そこが伝わらないと、あんつぁんが真に言いたいことがまったく伝わらないと思います。
Commented by antsuan at 2008-10-25 15:17
・産婆さんって、もしかして死語になっちゃった?
戻りミミズさん、これもエライこってす。でもキチッと説明せよと言われても、こっちは助産師の定義がいまいち自信がなくて。(・.・;)
Commented by ovejagrande at 2008-10-25 18:40
ある方が (三十才位の方ですが) 僕の祖母は 産婆でした。
と とても 誇りを持っておっしゃったのが(書いていたのが) 印象的でした。 この人をとても好きだな と思いました。
その一言ですべてが語られる時があります。

わたしは 山村先生のという助産婦さんのところに通っていました。
野方にある助産院です。
母乳が出るためのマッサージ等 してくださってました。
毎週 味見をしてくださるのですが 
一度 友人宅で ポテトチップスをほんとに少しだけ食べただけで
あら あなた 何を召し上がったの?
母乳の味が落ちたわよって おっしゃって。
この方は 下落合のうちの近所のおかあさんたちにも
カリスマ的存在でした。 
つまるところ どの職業でも プロであるべきなんですよね。
女のプロ って 前に 書いたことがありますが
どの職業でも それに誇りをもって プロになっている人は素敵です。

Commented by antsuan at 2008-10-25 21:29
・そうやって誇りを持って仕事をしている人を認知するには、資格や肩書きではないのですが、どうしてもそういう見方で日本は差別する傾向があるようです。悲しくてやり切れません。
Commented by ovejagrande at 2008-10-25 22:38
でも 山村先生を尊敬している人はたくさんいます。
黄助産院で生みたい人も 順番待ちです。
黄さん(ファンさん 日本の方ですが 中国の人と結婚しているので)を尊敬している人もたくさんいます。
そして その価値を知ってる人も。
日本はそういうことでは差別しません。
きちんとした人に対する尊敬は 他の国にまさります。
だからこそ 技術が進歩したのではないでしょうか。
だからこそ ひとりひとりの誇りが大事なんです。
呼びかけも個人 個々人にたいしてしていくことが大事なんだと思います。
Commented by Emitan at 2008-10-25 22:54 x
健康保険制度は社会主義制度です。日本国はアメリカに倣って資本主義です。制度が違う物を取り入れても上手く行かないと思います。
30数年前老人医療費無料を導入しました。こんなに老人が長生きするとは想像しなくて。その頃は団塊の世代の納付金が有り余って居たのです。医療も高度化して高額化しました。保険金の納付者が減って来ました。余ったお金は別の施設に流用されて、天下りの温床に成りました。結果支払い基金のお金が足らなく成りました。そこで安易な医療費抑制を始め、病院の経営が難しく成りました。当然人件費削減です。又アメリカ的に直ぐ訴訟します。医者は益々辛くなりました。結果は医師不足今更・・・
Commented by ovejagrande at 2008-10-26 01:10
健康保険制度は たしかに社会主義制度です。
ヨーロッパでは みんな健康保険制度がきちんと整っているのは ロシア(当時のソビエト連邦)が介入しないために合衆国の方針と援助によるものです。 完璧に私立の病院とは別に 公立の無料の病院があります。
日本の場合 私立も公立もいっしょくたなのが 問題なのではないかと思います。
Commented by antsuan at 2008-10-26 06:10
・ovejagrandeさん、おっしゃる通りなのですが、それでは声が大きくならないのではないかと、今回は非常な危機感を(医療人として)いだきました。実は"医療人として"と云う言葉を入れたくない、と云うことにもこだわったのです。特別な人が声を上げているのではない、と主張したかった。もちろん説明不足を反省しています。
Commented by antsuan at 2008-10-26 06:10
・Emitanさん、もともと日本の社会保険制度は戦時中に軍費調達の隠れみのとして作られた制度でもありました。最初から目的が不純だったのです。特別会計は基本的には不純なものですから、時限立法できちっと国民が監視して行かないといけないのではないでしょうか。
Commented by antsuan at 2008-10-26 06:11
・ovejagrandeさん、基本的には我が国によくあった制度でしょうが、おっしゃるとおり、一緒くたにしたのが行けませんね。たぶん、官僚が監視監督しやすくするためなのだと思います。ですから、自由な発想の医療技術も発達せず、ましてや、サービスや接遇の改善も民間医療機関はやりたくても出来ませんでした。

Commented by maron415 at 2008-10-27 16:42
いろいろ言いたかったものの一人ですが…
私自身もバタバタしていて、やっとなんとか読めました。
なんか、いろいろ複雑に絡み合ってしまって、なにがなんだか?なとこもあるのですがね(笑)
上記の記事についてはいろいろ思うとこもあって、記事にしたいのだけどするかしないかは未定です。
あっ、そうそう
あんつぁんの言いたいことのある面はそうだなあと思いますよ。
(全部じゃないよ!)
Commented by antsuan at 2008-10-27 18:06
・問題提起なのですよ、マロンママさん。
自分のブログなのに、自分の流儀でやっちゃいけないなんて。
男の私が危機感を持ったってしょうがない問題なのに、そこんところをどうして女性の方は分かってくれないのかしら。