あんつぁんの風の吹くまま

ブログトップ | ログイン

ご容赦願います

まずもって、このブログをお読み下さり有り難う御座います。感謝申し上げます。
 そこでお願いがあるのですが、ブログを日記風に書き留めていきたいと考えておりまして、そうすると当然、自分の楽しかったことや、嬉しかったこと、あるいは成功体験なども書きつづっていくことにもなるのですが、其れがついつい自慢話になり、お読みくださる方には鼻をつまみたくなるような内容になるやも知れず、その辺のところをご容赦いただきたいのです。

          ☆  ☆  ☆

 趣味のところにも記してある通り、海が好きでそれからヨットが好きになり、今もヨットを乗り回しています。が、このヨット、決して一般的な趣味ではないようで、ヨットの置き場に今も苦労している次第です。また、ヨットというと贅沢な遊びというイメージがあって、ニュージーランドでは三世帯に一艇あるような一般的なレジャーなのですが、下手に大人の人に趣味はヨットですと言おうものならば冷たい目で見られるのがオチでした。

 最初に買ったのが一人乗りのヨットで、今もレーザーとかシーホッパーなどのクラスが残っているあの形なのですが、此れは家が海岸まで近いこともあって、庭に置いておいてゴロゴロ一人で引っ張って行って楽しんでおりました。ところが父は私のやる事為すこと気に食わず、特に贅沢なヨットの遊びをするなど、まともな仕事に就いてからにしろと言わんばかりでした。

 しかし、いよいよ一人乗りのヨットでは飽き足らず、東京は晴海のボートショウで四人乗りのヨットが展示されているのを見て衝動買いをしてしまいました。当時のトヨタカローラか日産サニーの価格と同じぐらいだったと思います。さーて、問題は置き場です。初めは海岸に置こうと思ったのですが、ここは漁業組合の承認が必要で無理、近くのマリーナやヨット置き場は入れてもらえるまで二十年待ちの状態です。海岸の側の駐車場はと考えたのですが、とにかく重くてとても一人や二人で引っ張ることは出来ないことが分かりました。

 ヨットは基本的にオーダーメイドの製品です。もう注文を取り消すことは出来ません。近くには東京オリンピックでも使われた本格的なマリーナー、葉山マリーナがありました。私自身、憧れのマリーナーです。いつも暇なときにはこのマリーナーの裏口からそっと入っていろいろなヨットを見回して、何時かはここにこんなヨットを置きたいと夢を見ていました。しかし相談に行っても勿論、剣もホロロの返事でした。

 もうこうなれば、置き場所が決まるまで庭に置いておくほかはありません。とは言え、親父の乗っているクラウンよりも大きいヨットを置こうものならば、どれぐらい怒られるか考えただけでもゾッとします。しかし、もう親父に頭を下げてお願いするほかはありませんでした。

 その頃、父は町の名士達の集まりだったロータリークラブに入っており、其の葉山マリーナの社長もクラブの会員でした。不思議です。どうせ親父に頭を下げるならば、どうせ怒られるならば、駄目で元々という気になったのです。それまで親父と殆ど顔を合わせないようにしていたのに、覚悟を決めて、親父に葉山マリーナに入れてもらえるように社長に頼んでもらえないかお願いしたのです。

 父は怒りませんでした。しかし返事もしませんでした。全くの無視です。私などこの家に居ない者のように、知らんぷりです。しかし、此れで庭に暫く置いても何も言われることはなさそうだと感じました。暗黙の了解というやつです。内心ホッとしました。もう殆ど勘当されている身ですから、無視されるぐらいは全く気になりませんでした。
 
 それで引き渡しの日に店の方へ電話して、家まで運んで来てもらうように頼んだのです。ところが、ところがです。もう葉山マリーナの方へ置いてあるという返事です。初めは、其所が引き渡しの場所なのかと思いました。違うのです、間違いなく、私の艇を其所に置くようにマリーナから指示されていると言うではありませんか。有名ゴルフクラブのようになかなか入れずプレミアがついているようなマリーナに置けるというのです。イヤー、天にも昇る気持ちというものをつくづく味わいました。初めてです。
 
 勿論その日の夜、父のところへ行って頭を下げて礼を言いました。前と同じに父は何にも言いませんでした。相変わらずの無視です。しかし、チラッと目が合いました。もうそれで私の気持ちが伝わったことは充分わかりました。
 
 父とは最後まで和解することはなかったのですが、父は父なりに息子のことを思い、私は私なりに父のことを思っていたことを、其のことを思い出しながらつくづく感じるのです。
 
by antsuan | 2005-05-24 10:00 | 身の回り・思い出 | Comments(2)
Commented by knaito57 at 2005-05-25 11:28
わかります、わかります。父親と息子の「見えない絆」──これぞ日本の親子像だと思います。ところで私は、歩くのは達者でもまったく泳げないので海には無縁なのです。だからヨットとかマリーナとかいうとコンプレックスとやっかみがあって、ほとんど別世界の感じなのです。それゆえか、近ごろテレビで見かけるあの「ヨットの若大将」よりもオレのほうがよほどかっこいいなどと……屈折した心情ですかねえ。
Commented by antsuan at 2005-05-25 12:26
面白いことに、ヨットで太平洋単独横断を成し遂げた堀江さんは泳げないのです。だからヨットに興味を持ったと言っていました。私もヨットに乗るときはライフジャケットを身に着けます。「眼下の敵」のロバート・ミッチャム、「PT109」のクリフ・ロバートソン。あの灰色のライフジャケット姿。自分も勝手に主人公の気分になっています。(笑)