あんつぁんの風の吹くまま

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誤差の範囲=無視出来る範囲

 理科系の大学に入って今までに一番役に立ったことといえば、誤差の範囲という意味を会得したことだ。海水の塩の中に含まれる微量元素の分析を卒業研究としてやらされたのだけれど、誤差の範囲、つまり無視出来る範囲が必ずあることを知ったことは、自分の人生の中で大きな自信につながったと確信している。

 こんな誤差のことは小学生でも分かることで、おそらく同様のことは小中学生の時に習ったのだと思うが、頭の中で理解したのは大学に入ってからだった。1グラムと1000ミリグラムでは誤差の範囲が違う。誤差の範囲を四捨五入で表記すれば、0.6グラムから1.4グラムを1グラムと認識して良いけれども、1000ミリグラムの場合の誤差は999.5ミリグラムから1000.4ミリグラムの範囲しか認められない。清涼飲料水の缶にビタミンC、1000ミリグラム配合と記してあるものがあるがホントカイナと疑ってしまう。

 理科系人間とか文科系人間とかいう区別をすることがある。つまり深く真理を追究する人と広く浅く物事を全体的に見極める人、最近流行の脳科学者の言い方をすれば、左脳力の人と右脳力の人との区別ということになる。自分は機械いじりが好きだったので絶対に理科系人間だと思っていた。しかし、この誤差の範囲=無視出来る範囲を会得してからは、すごくいい加減で適当な人間になってしまった。つまり「自分自身が規定する自分」というものを厳格にする必要はないと悟ったのだ。
 
 だが、何も標準的な日本人の生き方にこだわる必要はないと、大学を出てからも好き勝手なことをして親を心配させたことで、親不孝のそしりは免れないと思っている。
by antsuan | 2007-08-31 12:16 | 思想・瞑想・時代考証 | Comments(4)
Commented by mitsuki at 2007-08-31 21:34 x
キカイの例えで言うと、シリンダーのように、コンマ01ミリの誤差も許されない部分と、バンパーみたいにとりあえず付いてりゃOK、みたいな部分、
その見極めが出来るようになれば、ラクになれるんですけどね。
何でもかんでも厳密、では息が詰まりますし、何でもかんでもいい加減、では成り立ちませんから。
Commented by syenronbenkei at 2007-08-31 23:29
僕も子どもの頃から機械いじりが好きでした。
家出をしなければ、僕は工学部へ進んでたように思います。

誤差っていうと「誤り」って字が入ってるから悪いことみたいに思えますが、例えば車のハンドルみたいに遊びがなくちゃとても危なくて乗ってられません。
そんなシビアな人生も楽しいかもしれませんが、やっぱりダラダラ生きるのが僕は一番好みです。
Commented by antsuan at 2007-09-01 07:03
・mitsukiさん、どうもこの頃の社会は誤差のないようにと目茶苦茶厳格にしていますね。息苦しくなってきています。
Commented by antsuan at 2007-09-01 07:04
・セイロンベンケイさん、昔、ファジーと云う言葉が流行ったけれど、それよりもアバウトと云う言葉のほうが好きです。