あんつぁんの風の吹くまま

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勝ったのは国民だ。


 参議院選挙の当日、なぜか無性に「七人の侍」を観たくなって子供と一緒にわざわざ遠くのレンタルビデオ屋さんに行ってきました。ひさびさに観る「七人の侍」はまるで全く新しい映画を見るような新鮮さを感じます。おそらく二十年以上も前に観たっきりだからでしょう。

 年輪を重ねた私にとって、今回は黒沢明監督がこの映画で表現したかった事のすべてが分かったような気がします。七人の個性ある侍に何を言わせたかったか、百姓、つまり庶民とはなんなのか。野武士と腐敗した政治家どもを重ね合わせる事もすぐさま出来ます。

 世界の映画人に衝撃を与えたと云われているこの作品は、時代考証もしっかりしていて、大げさに言えば「七人の侍」を観ずして日本を語るなかれ、といってもいいほど日本の文化が凝縮されている作品です。この作品を西部劇化した「荒野の七人」は映画音楽も素晴らしく大好きですが、さすがに日本の文化的表現をそぎ落としている事が分かります。しかし、そのぶん西洋文化に浸っている人々にも受け入れられる優れた作品に違いありません。

 「七人の侍」では百姓あがりの荒くれ侍三船敏郎の、「この赤ん坊が俺なんだ」に、戦のなんたるかが凝縮されているようで、そのまま合戦のシーンに自分自身が引き込まれて行くのです。そして村を去る時の志村喬の名セリフ、「今度もまた、負け戦だったな・・・・・いや、勝ったのはあの百姓たちだ・・・儂たちではない・・・・」

 今回の参議院選挙では民主党が二年前の総選挙の雪辱を果たし大勝しましたが、本当に勝ったのは民主党ではない、国民なのです。そのことを分かっている政治家がどれだけいるでしょう。
by antsuan | 2007-08-03 11:45 | 思想・瞑想・時代考証 | Trackback | Comments(10)
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Commented by saheizi-inokori at 2007-08-03 12:44
七人の侍、あの映画の制作にかけたエネルギーの凄まじさ、いまでは夢のような映画つくり。
なんでもお手軽に作る時代になりました。お金を幾らかけてもそれは投資のためで何かを成し遂げようという志のために使われない。
七人の侍のビデオ、私の持っている数少ないビデオです。
Commented by maron415 at 2007-08-03 15:06
小泉さんのおかげかどうかわかりませんが、
どの党も信用してはいけない。
ひとつだけ強くしすぎるとろくなことない。
と思ってるとか…
Commented by antsuan at 2007-08-03 19:46
・息子の敵を討つ為に老婆が鍬をもって捕虜に襲いかかるのを止める事の出来ない侍の複雑な思い。武士である事の空しさ、それがこの映画の一貫したテーマであったように感じました。
この映画は芸術だと言っていいと思います。佐平次さん、黒沢監督がこの映画を作ろうとした情熱は何処から来たのか知りたくなってきました。
Commented by antsuan at 2007-08-03 20:09
・マロンママさん、国民は目覚めたのですよ。俺達の為に仕事をするのが政治家だろう、と。 国民に信を問うと言って解散を強行した小泉さんが国民の民主主義の心を目覚めさせたと思っています。
Commented by hisako-baaba at 2007-08-04 08:43
勝ちました、でも憲法論議は何処かへいっちゃった。
民主党に9条を守る気が本当に有りますか?

安部さん、国民はあんたにノーと言ったんだよ。みっともないままいつまでやるの?

七人の侍・・・私もまた見たくなりました。
Commented by antsuan at 2007-08-04 12:18
・hisako-baabaさんのおっしゃるように、安倍内閣の不信任を国民が決議したわけです。しかし、民主党に政権を渡せと言ったのでもない、この不安定なバランスこそが国民の望む自由なのでありましょう。改憲派の私ですが、強兵を望むと言うより百姓の権利の為と言った方が理解されるのではないかと思います。
Commented by anthonberg at 2007-08-04 17:50
選挙があった事は知っていましたが、安倍内閣になったところは知らないので色々話だけしか聞いていません。でも今回の選挙結果はとうとうここまで来たか!という気がしました。
海外からも投票出来るそうで、次は手続き取って私も日本人として参加しなきゃ!と思いました。

七人の侍、外国人にも人気のある作品で、日本=この映画みたいに言われる事が多いです。
Commented by realutopia at 2007-08-04 18:36
『乱』にエキストラ出演し、黒澤監督に声をかけていただいた私ですが、クロサワはやはり偉大ですね。表現とはかくあるべし、です。国民の勝利が未来に繋がりますように。
Commented by antsuan at 2007-08-04 22:00
・アベちゃんはきっとこの映画観ていないんだろうな。anthonbergさん、近ごろの若者にこの映画を見せても理解出来るのか少々不安ではありますが、黒沢監督がこの映画で表現したかったことの一部でも解れば日本は平和になるはずです。
Commented by antsuan at 2007-08-04 22:01
・剣は「ぶった切る」ですが、刀は「なで切り」。百姓あがりの侍三船敏郎と、剣客宮口精二の違いに、こんな細かいところまでしっかりと演じさせています。
realutopiaさん、ヤッパリ黒沢は凄い。