あんつぁんの風の吹くまま

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後藤新平って何者?

 国際的に水不足が騒がれ始めたのは別にこの頃のことではないけれど、隣国チャイナの水不足が注目されるに及んで、俄然、我が国でも国際的な水不足に関心を持つようになって来ている。水不足といえば基本的に農業問題であり食料問題なのだが、最近はエネルギー問題にかかわるようにもなってきた。つまり水を生産するという考えに変わってきたといえる。そうなるとまた環境問題という振り出しに戻ってくるのだが、こういう様な大局観を持った人物が行政にかかわるかどうかで社会開発が成功するかどうか決まるのだろう。

 後藤新平というと満鉄の初代の総裁である。そこから短絡的に満州を食い物にしようとした悪の一味としか考えていなかったが、彼は医者だった。東大医学部を出た養老孟司も最近までそのことを知らなかったと言っている。後藤新平は医学部卒の医者ではなく医学専門学校出身の医者であった。いわばエリートではなかったのだが、そういう下からのたたき上げの現場を知っている人間だった。
 
 衛生行政の手腕が児玉源太郎の目に留まり、彼と共に台湾へ行き、台湾総督民政長官として社会開発に素晴らしい能力を発揮したのだった。何が素晴らしいかと言うと、『現地社会の習慣や制度は「生物学の原則」に則った相応の理由や必要性から発生したものである』と考えたのである。そして現地の習慣や制度をしっかり調査し、状況に合わせた施政を実行したのであった。アメリカから新渡戸稲造を招聘したのも彼の功績であった。

 もう後はフリー百科事典「ウィキペディア」を見てほしい。ボーイスカウト制服姿の彼の写真がある。彼の言葉「金を残して死ぬ者は下だ。仕事を残して死ぬ者は中だ。人を残して死ぬ者は上だ。」は、経営にたずさわる者にとって常に心に留めておくべき言葉である。
by antsuan | 2007-05-16 18:34 | 思想・瞑想・時代考証 | Comments(4)
Commented by mitsuki at 2007-05-17 06:41 x
江ノ島にある児玉神社の境内に後藤新平氏の詩碑があるそうです。
以前訪れたとき、拝殿前に鎮座している狛犬が台湾の人たちの寄進によるもので、口の中の珠がゴロゴロ自在に動く細工が施してあり、エキゾチックな貌をしていたのは覚えているのですが、そこまでは気付きませんでした。
今度行った時には是非拝見させていただきます。
児玉神社は藤沢市観光協会が発行しているガイドブックには乗っていないようで、やはりまだ誤解されている所があるようですね。
Commented by antsuan at 2007-05-17 10:54
・後藤新平だけでなく、明治の人は本当に凄いですね。
藤沢市の市長が左ががっていたので兒玉神社は荒れるにまかされていたとか。
Commented by maron415 at 2007-05-17 10:56
Wikipediaを見てたら
星新一 - ノンフィクション小説『人民は弱し 官吏は強し』で後藤を描いている
にびっくり!
興味を持ちました。
Commented by antsuan at 2007-05-17 20:27
・あの塩爺こと、塩川正十郎さんも敬服しています。同郷で政党政治家の原敬と対比する倫理的政治を唱えた誠にもって真の理想家であったと思います。私も今一度、後藤新平の生き方を研究してみるつもりです。