あんつぁんの風の吹くまま

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クリント・イーストウッドにエールの交換を

 ローハイドで若造ロディーを演じたクリント・イーストウッドが監督をした太平洋戦記の二部作、『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』は、われわれ日本人に、太平洋戦争について冷静に見直す機会を与えてくれたように思います。

 テレビでは有名だったけれども二流の俳優だった彼を、一躍、一流の映画俳優にしたのは、黒沢監督映画のリメーク版のマカロニウェスタンでした。朝鮮戦争の時に陸軍に招集されていることからも、以前から日本にかなりの理解を持っていたのかも知れません。

 さて、日本は近隣の国から歴史認識において摩擦を起こし、国民感情まで悪化しております。そのため金と時間の無駄だと思われるような、歴史共同研究を日本と韓国において始めました。チャイナとも同様の研究が行われ始めたようです。

 そんな最中、米国議会においては従軍慰安婦問題を取り上げられ、あの独り歩きしてしまったアイリス・チャンの『レイプ・オブ・南京』がハリウッドで映画化されるという事態になりました。いまや、事なかれ主義が日本の信用を著しくおとしめる事態となり、感情的で過激な国粋主義が国民の意識の中にも少しずつ染み込んで行きそうな気配です。

 作家の塩野七生女史は、月刊誌文芸春秋の中でなかなか好い事を云っています。日米でも歴史共同研究をせよと、グッドアイデアです。米国だったら韓国やチャイナのように頭に血がのぼっている人は少ないだろうと言う訳です。日英や日豪でもやったら好いとも述べています。日本と米国、それに英国などと歴史認識において共有出来たら、それこそチャイナや韓国は浮いてしまうでしょう。本当の敵であったこれらの国々の方が歴史の共同研究はやりやすいし、たとえ共有出来なくとも、このイーストウッドが示してくれたようにお互いの違った歴史認識を理解しあえるでしょう。

 平時においてこそ、過激な国粋主義的な意識の芽を摘んでおく事が大切なのです。ローハイドの若造だったイーストウッドが、日本と米国の双方から見た映画を作ってくれたからには、日本からもエールを交換する良い機会と云えると思います。
 
by antsuan | 2007-04-07 16:59 | 思想・瞑想・時代考証 | Comments(6)
Commented by saheizi-inokori at 2007-04-08 09:55
>米国だったら韓国やチャイナのように頭に血がのぼっている人は少ないだろうと言う
そうでしょうか?それほど寛容であるとも思えないのです。
共同研究することはいいことだと思います。
日本人の誰かがイーストウッドみたいな映画つくりをしたら面白いと、誰かが言ってましたね。
Commented by antsuan at 2007-04-08 17:06
・イーストウッドみたいな人は稀かも知れませんね。人種平等のために孤高の戦いをした日本です、歴史研究の輪を広げれば自ずとそのことが滲み出てくるはずです。
「ここより永遠に」とか、「砲艦サンパブロ」など、戦争を絡めたいい映画があります。「硫黄島からの手紙」は米国内では不評であってもヨーロッバや外の地域ではかなりの評判だったようです。日本人の監督でそういうものを作ってくれれば理解も深まるでしょう。
Commented by anthonberg at 2007-04-09 04:06
この間クラスメイトになったアメリカ人男性に『"硫黄島からの手紙"は観た?』としっかりタイトルは日本語で聞かれました。でも観ていないし、話が進まなくてごめんねって感じ。(苦笑)
イーストウッドは俳優としてより、既に監督としての方が活躍していますね。この間のアカデミーで見たけど、かなり高齢になっているのでいつまで元気でいられるか心配です。←余計なお世話ですが。(苦笑)彼元気ですよね。(^^)
Commented by antsuan at 2007-04-09 09:08
・ロディ役の若造がいつの間にあんなに立派になったのかと感じる私です。(笑)
日本人って意外と自分の国の事を知らないと思うのです。だから外国人の目を気にしているわりには本当の自分を知らないのではないでしょうか。
イーストウッドにはもっと元気で居て欲しいですね。
Commented by cazorla at 2007-04-14 10:27
真珠湾については アメリカ人が書きましたね。
ちゃんと 歴史として。 大統領も知っていたのに 真珠湾攻撃を待っていた。宣戦するために。
原爆についても なぜ日本に落としたか あれもアメリカ人によって書かれました。 日本人のだれも書かなかったのに。
Commented by antsuan at 2007-04-14 13:52
・日本びいきのシャリー・マクレーンとか、もちろんチャップリンもそうでしたが、日本をきちっと理解している人は映画界に限らず少なくありませんが、残念な事にその声をかき消す風が強過ぎるようです。日本のアニメが頑張っているのが救いですね。