あんつぁんの風の吹くまま

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怨霊文化に歴史捏造はなじまない


 藤沢市にある「常立寺」は、鎌倉幕府に降伏を迫るため元朝から派遣され、首を刎ねられた使者の霊を祀ってあるのだそうだ。そこを七百年以上も守り続け、横綱朝青龍がお参りしたと云う話しが、「大地の咆哮」(杉本信行著)に載っている。
 
 法隆寺も聖徳太子の怨霊を鎮めるために建てたと梅原猛氏が述べていることは前にも書いたけれども、このように、「能」に象徴される怨霊を大切にする習慣は他の民族には見当たらないのではないだろうか。

 数年前に世界のベストセラーになった、ダ・ビンチのコードはイエス・キリストの生涯を含む歴史捏造に光を当てた作品だった。世界はまだまだ歴史捏造に満ちあふれていると云っていいのだろうが、残念ながら、これが人間不信を引き起こし、平和を阻害する原因にもなっていると思う。
 
 死んだ人の霊を慰める。その人が悪人であれ、善人であれ、差別をしないこと。バチカンはそれを認め、ローマ法王はモスクで礼拝をした。カトリックのキリスト教は一神教の世界から抜け出したのだ。多神教文化は相手を認める文化でもあるから、わざわざ歴史を捏造する必要はない。

 こうして考えると、歴史の捏造は前述したように平和を阻害する最たるものである。しかし、平和の実現が目的であり、歴史の捏造阻止は手段でしかない。杉本信行元上海総領事は「大地の咆哮」を書き終えるにあたり、バチカン外交に期待を込めていたが、その願いが適うことを祈る。また、日本の皇室外交も同様に世界平和のために貢献すると確信している。
by antsuan | 2007-03-17 07:49 | 思想・瞑想・時代考証 | Comments(0)