あんつぁんの風の吹くまま

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三月十日の二つの記念日

 今日、三月十日は明治三十八年同月同日、日露戦争の奉天大会戦で日本軍が勝利し、奉天(現在の瀋陽)を占領したことにちなんだ陸軍記念日です。そしてその日を狙って、昭和二十年、米軍のB二十九爆撃機による東京大空襲により、十万人におよぶ非戦闘員の日本人が虐殺された日です。

 多くの流血がありましたが、二十世紀は白人の人種差別から解放された時代でありました。日本人はそのことに誇りを持ち、かつ侵略者として同じ過ちを犯したことに恥じなければなりません。ですから、そのどちらの事実も日本人だけでなく世界の人は忘れてはならないと思います。

 「神も仏も捨てたのが、明治政府です」と、梅原猛氏は面白いことを言っています。日本の思想の中心であった神仏習合を捨て、国家神道という一神教になってしまったと云う訳です。だから、氏は一神教時代を支えた靖国神社についても否定的な発言をしています。それでも、我々日本人は「共存共栄、諸行無常、悉皆成仏、万霊平等」の精神(こころ)を受け継いで来たからこそ、今日の繁栄があるのだと信じています。

 二十世紀の多くの数知れない流血はなんであったか、それを思い返す日として、今一度この日の出来事をしっかりと歴史に留め、神仏習合の意味する、平和と平等を、日本のいや世界の思想の中心に据える努力を惜しんではならないでしょう。
by antsuan | 2007-03-10 16:19 | 思想・瞑想・時代考証 | Trackback | Comments(10)
Commented by maron415 at 2007-03-11 00:33
「神も仏も捨てたのが、明治政府です」
天皇を神にするためだったのでしょうか?
そう、それ以前は、「神も仏も信じる」だって、
田舎に住んでいると、その名残があります。
お念仏とか祭りのみこしとかあります。
大体、日本の家は、神棚と仏様が同じ家の中にありますしね。
私?私は神も仏も都合のいいとこだけ信じることにしております。

Commented by antsuan at 2007-03-11 05:29
・マロンママさん、
「万霊平等」、マロンちゃんと居るとつくづくそう思いませんか?
私も、神と仏は両方いると信じています。(^_^)
Commented by cazorla at 2007-03-11 08:31
神式の結婚式って明治時代からだったんですね。
ずっと神様とは関係ないところで結婚していたのに。
で 結婚のときの神式のことばを読むと実に キリスト教の真似って感じ。 やはり ヨーロッパの真似をしようとした明治時代なんでしょうか。
Commented by chiyoko1960 at 2007-03-11 10:46
ほっとします。いろいろと勉強になります。リンクさせていただきましたのでまたご訪問いたします。
Commented by antsuan at 2007-03-11 15:01
・結婚式の絶えない鎌倉八幡宮のことをちょっと調べたのですが、明治維新の排仏毀釈の時に八幡宮寺の坊さんがそそくさと神官になったのを見た近くの住民が嘆いたとあります。ヨーロッパ式の一神教思想を真似しようとしたんでしょうね。
Commented by antsuan at 2007-03-11 15:12
・chiyoko1960さん、あまり私のブログに期待しないで下さいね。(苦笑)
そちらへも伺います。
Commented by maron415 at 2007-03-11 19:25
結婚式ね、昔は家でしてたんだって。
明治になって、皇族の誰かが(たぶん)神社でしだしたのがはじまりって
しばわんこが言ってました。(すみません関係のない話です。)
ゆきちゃんがおそばやさんに嫁いでいてびっくり(おそばやさんて双子のパパなのよ。)
Commented by mitsuki at 2007-03-11 20:20 x
私も期待してますよ(はあと)
<日本人はそのことに誇りを持ち、かつ侵略者として同じ過ちを犯したことに恥じなければなりません。
このバランス感覚こそが、今の日本に必要なのですよね。
Commented by antsuan at 2007-03-11 21:17
・結婚式って民族の風習が色濃くでるものだと思うのですが、この頃の日本はチャペル形式が一般的になってきているようで、なんかおかしいなぁと思っています。
Commented by antsuan at 2007-03-11 21:22
・恥を知る、そういう感覚を失いたくないと思っています。そして、日本人はまだまだその心を失っていないと信じています。