あんつぁんの風の吹くまま

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仕事と労働の違いを考える

 戦後しばらくは働く人の七割以上が自営業者で、残り二割ちょっとが公務員も含めた会社勤めのサラリーマンでした。今やその数字が逆転してしまっています。そのことから見れば、日本は世界でもっとも成功した社会主義国と云われるのも無理はありません。

 つまり、サラリーマン労働者の方が自営業者よりもはるかに生活保障が行き届いている社会なのです。もちろん、文明が発達し様々な分業化が進んだことに因るのでしょうが、本当にそれが人間の目指す理想の社会なのでしょうか。どうもそうではないような気がするのです。

 良ーく考えて見れば、殆どの人がサラリーマン労働者になると云うことは、ホンの一握りの巨大な資本家に支配されているか、または他の国の植民地となっていることを意味しています。これでは家畜みたいな生活と変わらないように思えるのです。

 労働基準監督署がひな形としている、正職員を対象とした会社の就業規則には、最初の方に「会社(雇用主)及び職員は、この規則を遵守して、相互に協力して職務を遂行し会社の発展に努めなければならない」と記されています。何を言いたいかと云うと、正職員は会社の発展の為に仕事をする人であって、単なる与えられた労働をこなす者を指すのではありません。だから、パートタイマーやアルバイト、派遣職員のように、ロボットと同じような決められた労働しかしない者とは違った権利を有しているのです。

 ところが、そう云う会社の発展の為に責任を負わないような職員にも同様な権利がどんどん付与されてきています。その際たるものが今の公務員であり、外郭団体の職員です。公務員などの雇用問題については別に述べることにしますが、会社の発展の為に努力しない職員の生活を保障することは、前にも言ったように社会主義国の生活と同じでありましょう。

 もちろん、働きたい人が働けない社会を認めるつもりはさらさら有りませんし、働けなくなった人の生活を保障するのは、人間を人間として扱う基本的なことです。しかし、ここで仕事と労働をごっちゃにしてはいけないのです。

 やはり、労働者も仕事に責任を持つことは基本的に当たり前のことであって、そうで有れば、一労働者も個人事業主と変わらぬ待遇、つまり社会保障を受けるべきであると考えるのです。ホテルのボーイやメイドは、日本では会社の職員で労働者ですが、外国では立派な個人事業主であり、チップを客から貰うのはけっして卑しいことではなくて仕事にたいする報酬なのです。

 私が心配しているのは、こういう零細自営業者より、会社勤めのサラリーマンの生活保障を優遇することは、社会主義国家に見られるような、あらゆる産業を衰退させる原因となり、ひいては社会を荒廃させてしまうことになるのではないかということなのです。
by antsuan | 2006-04-12 08:15 | 思想・瞑想・時代考証 | Comments(2)
Commented by mitski at 2006-04-12 21:41 x
何時から職人は労働者と呼ばれるようになっちゃったんでしょうね。
職人はショクニン、自分の腕一本それだけ信じて世の中渡ってナンボでしょう。
Commented by antsuan at 2006-04-13 17:06
大学制度を無くし、みんな専門学校に組み込んでしまえば、職人意識が復活するのではないかと考えたりしています。