あんつぁんの風の吹くまま

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新渡戸稲造は大和魂の伝道師

新渡戸稲造の「武士道」(翻訳本)をようやく読み終えました。

 これは凄い、今日の日本の姿を見事に見越しています。この本の分類は哲学書にあたるのでしょうか。アングロサクソンの濁ったキリスト教教義より、武士道精神は上を行っていると言いながら、キリスト教の愛の精神は武士道の土台にあるとうまく持ち上げています。

 内村鑑三が米国の現実を見てキリスト教国家に幻滅したのと違って、「悪貨は良貨を駆逐する」現実を静かに悟り、「武士道」も文明の発達とともに消え行く運命を享受し、かつ、その大和魂はほのかな香りのように漂い続けると最後を結んでいます。

 百年前にこのような優れた本がしかも英語で書かれていたとは驚きです。さらに新約旧約聖書は勿論、孟子孔子は言うに及ばず、著名な哲学者や思想家の言葉や文献、それもギリシャやローマ時代の昔から近代までの殆どすべての書籍に精通し、それらを引用しながら明快に「武士道精神」を説明する事の出来た新渡戸稲造は、大和魂の伝道師と崇めるべき人物ではないでしょうか。

 イスラーム教のコーランやキリスト教のバイブルと同様に、日本人の大和ごころの聖書と呼ぶに相応しい本であると断言したいと思います。
by antsuan | 2006-03-04 18:02 | 思想・瞑想・時代考証 | Comments(0)