あんつぁんの風の吹くまま

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自浄能力

 科学は進歩するが人間の生き方というのはそう簡単に進歩するものではありません。となると、歴史は繰り返すというのは当たり前のことなのでしょうね。つまり自分が身をもって体験したことは教訓に活かすでしょうが、先人達の経験については伝え聞いたとしても、体験していない以上痛みが分からない。だから、痛みを感じている人や地域が傍にあっても、それを教訓にすることもしないのでしょう。
 サラリーマンは、会社が火の車でも給料をもらっているうちは自営業者と違って殆ど危機感を持たないと云うか分からないでいます。もちろん役人も同じでしょう。こういう人たちが経営に携わることは危機意識の欠如により、おうおうにして会社や組織を危うくしてしまうのです。もちろん国においても同じことです。
 今の日本人が一番苦手としていることは被害者の気持ちを理解することです。いつか自分がその被害者になるかも知れないという危機意識が欠如しているのです。
 組織の中で居心地のいい者は、悪いのは一部の人で他は皆いい人だからという論理を唱えますが、それは明らかに間違っています。他の良い人が悪い人を排除しなくなったとき、良い人とは言えなくなるのです。自浄能力を失った組織は癌と同じで悪性化して社会に影響を及ぼしてしまうのです。
 大東亜戦争の痛みが余りに酷すぎたがために、そして戦後、米国が守ってくれたがために、我が国民は、昔、痛みを感じ危機意識を持って国を守ってきたことを忘れようとしています。竹島問題では、痛みを感じている一地方が立ち上がり決意を表明しました。しかし、国民が痛みを感じている人の危機意識を理解するのはいつのことになるでしょう。北朝鮮の拉致問題を6カ国協議の場に委ねているのを見てそう感じます。
by antsuan | 2005-03-19 07:42 | 思想・瞑想・時代考証 | Trackback | Comments(0)