あんつぁんの風の吹くまま

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寿福寺の紅梅

 庭の梅がいつの間にか咲いていた。いつもは正月前には咲いていた老梅も手入れをここ数年していなかったので機嫌を損ねたのだろう。海風にさらされて倒れそうになっているその姿に申し訳なく思う。

 この梅の木の前の、祖父が作ったコイの泳ぐ池に落ちて泣いたのは何歳の時だっただろう。泣いている私を助け出そうともせず高笑いをしていた祖父の着物姿を今も忘れない。

 その祖父が病に臥している時に描いた油絵もこの梅の木だった。新潟大学の名誉教授である祖父は高野素十とも親交があった。加賀谷凡秋は義弟だった。だが私の記憶には俳句を創っている祖父の姿はない。しかし高浜虚子の眠る寿福寺に祖父の墓はある。

 もうじき祖父の命日がやって来る。寿福寺の門前の小さな紅梅はもう咲いているだろうか。
by antsuan | 2006-02-10 18:21 | 身の回り・思い出 | Comments(0)