あんつぁんの風の吹くまま

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技術立国は本当か

 不況を脱した日本経済は明るい未来が待っている。技術立国の日本に敵は居ないかのような経済界の強気の見通しが、最近、雑誌の見出しに載るようになってきました。本当にそうなのだろうかと、眉に唾を付けてみたくなるような浮いた話に考え込んでしまいます。確かに企業は元気になったかも知れませんが、それはある意味では人減らしの成果であって技術力によるものではないような気がするのです。多くの日本企業は得た利益を設備投資に向けてはいますが、一方で、企業の乗っ取りにもそのお金が使われています。

 過去に企業買収に熱心だった、技術力に裏打ちされたブランドのソニーがいまその看板を下ろさざるを得ない事態になってきています。幅広く分野を広げてしまったために、今迄持っていた技術を新しくする努力を怠り、いつの間にか他企業の技術を借りてモノを作っていたと云う訳です。自社でしか作れない製品が無くなってしまったのです。

 冒頭に掲げたような、本当の技術開発を続けて頑張っているうちはいいのですが、ソニーのように映画会社を買い取り、保険事業に乗り出したりして、金を使い果たし本業を疎かにすると、奈落の底が見えてくるでしょう。

 企業で得た利益は投資家だけのものではない事を今のうちに気が付いて欲しいと思うのです。
by antsuan | 2005-12-14 15:32 | 情報通信・パソコン | Trackback | Comments(0)