あんつぁんの風の吹くまま

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愛を失った日本の社会

 平和で物が豊かな国になったけれども、自殺者は毎年三万人を超え、また幼い弱い子供を殺す悲惨な事件が増えている。とても幸福感を味わうことの出来ない社会、いったい日本の社会はどうなってしまったのだろう。

 塾の先生が生徒の女の子を教室で刺し殺すなんて、軽い言い方で恐縮だが、本当に想定外なことだ。やはり世の中が狂って来ているとしか言い様がない。このような世の中になった原因が何かあるのだろうと思う。だが、このように世の中がおかしくなっていると感じたのは今に始まったことではない。五年前も十年前もいや二十年前でさえもそのように感じていた。

 物が豊かになって車が手に入り、スーパーやコンビニで何でも用が足せる時代になったことが、人に頼らず自分一人で生きて行けると錯覚してしまい、またプライバシーの尊重などと自己中心的な考えと権利が、自由の名の下に認知されて、他人のことを考えない無責任な社会を作ってしまったのではないだろうか。

 簡単に無責任といったけれども、別な言い方をすれば、愛の無い、愛の知らない、愛を教えない社会になったと云うことだろう。これは信仰とか、思想とか哲学とか、倫理的なものであり、それらを否定して教えてこなかったツケが回ってきたのだと思う。しかも、その道徳的価値観というものはそれぞれの民族や社会で違って、決してグローバルスタンダードとして統一出来るものではない。

 愛があるのならば他の地域社会の人々を思いやることが出来る。愛を知っていれば自分を愛するように他人を愛することも出来る。愛を教われば物の豊かさではなく心の豊かさを求めようとするだろう。

 八百万の神々を受け入れ、神仏習合を成し遂げ、キリスト教をも許容する日本人にとって、一昔前までは愛するということは当たり前のことだった。一人ひとりが家族を愛しその家族の住む国を守るために虫けらのように死んで行った時代がある。

 そういう過去の歴史をもう一度見つめ直して、もう一度日本人に相応しい「愛」を教えて行かなければ、ますます暗い世の中になるような不安を拭い切れない。
by antsuan | 2005-12-12 12:15 | 思想・瞑想・時代考証 | Trackback | Comments(2)
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Commented by rabbitfootmh at 2005-12-12 14:33
>愛の無い、愛の知らない、愛を教えない社会になったと
>云うことだろう。これは信仰とか、思想とか哲学とか、
>倫理的なものであり、それらを否定して教えてこなかった
>ツケが回ってきたのだと思う。

まったく同感です。宗教や哲学は、学校教育から排除されています。子供たちは、真実を見る目を塞がれてしまっているも同然です。この辺も、憲法を改正しなければいけないのでは、と思います。
Commented by antsuan at 2005-12-12 16:09
日本は昔から表向きの法律と道徳的法律を定めています。明治以降では帝国憲法と教育勅語です。この教育勅語的、人間としての生き方を国が定義することも必要ではないでしょうか。法律ではカバー出来ない人道的な部分です。現在では憲法の前文がそれに当たるのでしょうが不完全ですね。