あんつぁんの風の吹くまま

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宮大工の心


 バブルが崩壊し、かれこれ十五年近くもデフレが続いている今、近隣の建物の様子は劇的に変化しています。築後三十年も経ていない立派な鉄筋コンクリート造りの建物がどんどん取り壊され、葉山でもそこここに、また新たに鉄筋コンクリートや鉄骨造りの高層建築物が建っています。もう、私が住み始めた頃からの建物など殆ど見当たりません。この間も県道の拡幅のために近くの古い蔵が取り壊されてしまいました。

 地震が遭ったわけでもなく、戦争の被害に遭ったわけでもありません。こうしてみると、いったい鉄筋コンクリートで建物を造る事の意味は何なのだろうかと考えてしまいます。百年二百年持つ永久的な資産として造られた訳ではなかったのでしょうか。

 今年亡くなった知り合いの良心的な地上げ屋さんが、「マンションは絶対に買わない方が良い、日本のビルに資産価値はない」と、言っていました。自らバブルの勢いに乗り地上げをして造った物がものの見事に壊されて行くのを見て悟ったのだと思います。

 そして今度は、モラルハザードと云うか、社会規範の崩壊と云うか、建築物の信頼性を揺るがす事件が発生してしまいました。これはある意味で自然破壊をした祟りではないかと思うのです。昔の宮大工は、人の創るものに完全なものはないと神様に敬意を表し、造った建築物の何処かをわざと未完成にしたと云います。

 日本の現代の建築家も今一度この謙虚さを見習って欲しいと思わずにはいられません。
by antsuan | 2005-11-30 20:37 | 身の回り・思い出 | Trackback | Comments(0)
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