あんつぁんの風の吹くまま

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大学って何ですか

 どう見たって大学が多すぎます。この間、別のブログで大阪大学を知らない日本の青年がいるといって驚いていましたが、そもそも教養を身に付けるためにあるはずの学問の府が教養の安売りというか、教養を無視した術技のみを教えるようになっている現状から考えて、ちっとも不思議ではないと思いました。

 東京大学の学生が泥棒をして見つかったときのせりふが、「返せばいいんでしょ」だったと、昔の新聞に載っていましたっけ。昭和の四十年代だったと思います。学生運動も学問を否定したひどいものだったけれども、そもそも大学は研究する場所であって知識を教えるところではないはずなのに、大学側が教育の場所としか見なくなった事が、大学の廃退の原因だと思うのです。

 つくづく思うのですが、日本では大学を出た事に価値があるのではなく、大学に入った事に価値を見いだす風潮に、それこそ教養の無さがさらけ出されています。大学を出ると「学士」の称号が付きますが、国会議員の立候補者の経歴にも何々大学卒業という表し方で、決して「何とか学士」とは表記しません。そのために学歴詐称という妙な事件が起きています。

 阿呆らしい。実に下らない。戦前には大学教授といえば会社の社長よりも偉かったと思うのですが、今では民間企業の課長程度の評価しか為されていないでしょう。もう大学なんていらないと思います。本当に学びたいのならば外国に行って学ぶ事も出来る時代ですから。

 そういう世界の大学のあり方について論じるシンポジウムが秋田県にある国際教養大学というところで開催されたらしい。昨春開校した秋田県の公立大学法人のこの大学は、グローバル化時代の革新的大学とは何かを見つめる気概に満ちているようです。大いに大学のあり方を論じてもらって、役目を負えた時代に合わなくなったカリキュラムだけでなく、大学そのものを統廃合して欲しいものです。

 いやいや、「本物の『学士』様を育てて欲しいと思います」でした。
by antsuan | 2005-11-11 19:43 | 文学・教育・科学・医療 | Trackback | Comments(2)
Commented by flight009 at 2005-11-13 21:48
こんにちは。

自分のブログでも書いたんですが、大学時代の後輩は、「大学生なのに勉強してるんだぁ」と驚かれたというし、自分自身、それをネット(高校の同窓生のメーリングリスト)で嘆いたところ、「大学生が勉強なんざしちゃいかん。どうせ大学で勉強したことなど役に立ちやしないんだから。それよりはマージャンやコンパみたいな大学生でしか出来ない『本当の勉強』をしたほうがいい」と、集中砲火を浴びてコテンパンにされたもんです。

もっとも、大学の先生の話を聞くと、出来の悪い学生を落第させると自分の評価が下がるんだそうです。どこでこんなことになってしまったのやら。

今の大学(に、限らず学校というもの全般)の有様を考えるに、日本人は本気で反省しなきゃならない時期に来ていると自分も思います。
Commented by antsuan at 2005-11-14 13:00
本当は他人の事など言えないのですが、十五歳から二十二歳までの潜在的労働力は少子化問題と含めて無視できなくなってきているはずです。いっその事バイトをしていくら稼いだら単位をやるなんて云うカリキュラムを組んでみたらいいのではないかと不純な事を考えております。「書を捨て街に出よう」という言葉が学生運動時代にもありましたっけ。