あんつぁんの風の吹くまま

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梅原猛の怨霊哲学が面白い

 ハローウィンというお祭りが日本にも少しずつ広まってきているようです。あのカボチャをくりぬいた飾り物をぶら下げる行事ですが、正直云って何のお祭りだか分かりません。どうやら幽霊が関係しているらしいのですが、それも何故だか分かりません。しかし、霊魂といえば、これは日本の伝統文化の根源をなすものだといえます。

 日本は「神」も「仏」もみな「霊魂」と同列と見なしています。以前「右左文明論」でも書いたように、人の霊魂と神と仏は連続性があって、だからこの世で悪い事をすれば、神や仏から祟られると思われているのです。この「怨霊思想」こそが日本の政の中心であり、鎮魂の行事が政治であり続けていると思うのです。
 
 ですから、ハローウィンが日本に根付くとしたら、それは天皇制が崩壊するのと同じぐらいに日本文化を変えてしまう事になるのだと考えています。今、読売新聞連載の「時代の証言者」に哲学者で文化勲章受章者の梅原猛氏が履歴をつづっていますが、実に面白く、法隆寺建立の秘密や出雲大社の神々の秘密など、流行りの推理小説「ダ・ビンチのコード」を読んでいるような気分になります。
 
 哲学というと堅苦しくて面白くもない学問の筆頭に思われますが、救世観音の恐ろしい風貌から歴史を推理していくのも哲学ならば、結構面白そうです。そういえば「能」や「歌舞伎」にしてもすべて怨霊に係わりを持つ物語の芝居です。このように日本の哲学思想は、西洋哲学とは相いれない独特のものを持っていると思います。
 
 話は飛躍しますが、大東亜戦争の戦犯として処刑された人の慰霊をきちっとする事が、これからの日本の平和と繁栄に欠かせない事ではないかと考えます。その鎮魂には靖国神社と分けて祀る必要がありそうです。
by antsuan | 2005-11-10 15:51 | 思想・瞑想・時代考証 | Trackback | Comments(0)