あんつぁんの風の吹くまま

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見出しによっては事実の歪曲になる

 「開業医 月の黒字228万円」という見出しの記事が少し前の読売新聞に載っていた。内容は、厚生労働省の調査の速報であって、六月における一施設あたりの利益である。それによると個人経営(開業医)の六月の黒字は228万円ちょっと。民間の一般病院は265万円弱、そして国公立病院は黒字ではなく234万円弱の赤字だったというものだ。

 行政側はこれをもとに医療費改定で黒字幅を圧縮してくるであろうと暗に述べる一方で、医師会側が診療報酬改定で3パーセント以上の引き上げを求めているとの主張も載せている。行政府の発表である。見出しは本当にこれでいいのだろうかと奇異に感じるのは医療法人を経営する私だけだろうか。

 一見公平そうな記事なのだが全然公平でない。第一に、国公立病院が赤字ならば、診療報酬を上げないと国や地方自治体の財政負担は増える事を、読者に知らせる姿勢が見られない。その他に、民間の医療機関は黒字の中から借金を返さなければならないという事を隠している。したがって「黒字」という見出しは大いに不適切で、最低でも「利益」と表現するべきだろう。
 
 国公立病院が第二の国鉄と云われて久しい。国公立病院の赤字体質を容認するような見出しを報道機関はするべきでないと思う。はっきり言うと、国公立病院を民営化してしまえば診療報酬の問題は解決してしまう。「民間」で出来る事を「官」は手を出してはいけないのだ。
 
 問題の争点をすり替えてしまう事になりかねないような見出しを報道機関が使うとすれば、それはある意味で事実を歪曲している事にならないだろうか。
by antsuan | 2005-11-09 13:41 | 文学・教育・科学・医療 | Trackback | Comments(0)
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