あんつぁんの風の吹くまま

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秋雨のコンサート

 冷たい秋雨が降るどんよりした空を見ると、本当にメランコリーになってしまいますが、そんな陽気の日に、あるコンサートを聞きに行き、感動した事を思い出しました。

 二十代後半の頃だったと思います。国鉄の下請けの仕事をして油まみれになっていた時です。元の職場で世話になった先輩の女性から、武道館で開かれるペリー・コモのコンサートの切符が余っているので行かないかと云う誘いの電話がありました。
 
 ペリー・コモが有名な歌手だとは知らず迷っていたのですが、電話を聞いていたそこの社長が彼女からの電話だと思ったのでしょう、気を利かせてくれたので行く事にしました。秋雨がシトシト降る夕暮れの中、武道館の前は人だかりで身動き出来ず会場の中も熱気で一杯でした。
 
 コンサートが始まっても雰囲気は盛り上っているのですが前座の歌手やダンス等ばかりでなかなかペリー・コモが現われません。しかし聴衆は体育館と代わらぬ貧弱な椅子に座って静かに聞いています。休憩の時に気が付いたのですが、坂本九やダーク・ダックスなども聞きに来ていました。
 
 そうです、ペリー・コモは本物のエンターティナーだったのです。前座のダンサーがまだ踊っている時に然りげなく現われ、歌い始めるのかと思ったら、その前座の歌手やダンサー、楽団を紹介し、更にこのコンサートを企画した政治家まで紹介しました。それが決していやらしくなく、政治臭くなく、雰囲気を壊さない語りなのです。
 
 コンサートはあっという間に終わってしまいました。ペリー・コモの歌声に酔いしれ、そのムードに浸ってしまい、時の経つのを忘れていたのです。帰りも冷たい雨が降っていましたが、それもこのコンサートの雰囲気を壊さないが為のような気がして、火照っていた頬を気持ちよく濡らしてくれました。
by antsuan | 2005-10-12 13:23 | 身の回り・思い出 | Trackback | Comments(0)
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