あんつぁんの風の吹くまま

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日本人は「正義」という心の重荷を捨てて降伏することを拒否した

東京新聞 TOKYO Web
コラム 「筆洗」
2013年4月1日
 「四月一日」と書いて「わたぬき」と読む珍しい姓がある。由来は江戸時代にさかのぼる。公家や武家社会では、わずらわしい更衣(衣替え)のしきたりが厳格に守られていた。庶民の間にもそれなりの習慣があり、そこから外れることは恥だった▼春の衣替えは旧暦の四月一日。綿入れの着物から袷(あわせ)に替えたため、四月一日を「わたぬき」と読むようになり、「綿貫」という姓の別の表現になったという(岡田芳朗著『春夏秋冬暦のことば』)▼きょうから四月。進学や就職で新しい世界に飛び込む人たちにとっては、期待と不安を秘めた出発だろう。フレッシュな新社会人の姿は忘れかけた初心を思い出させてくれる▼太宰治の小説『パンドラの匣(はこ)』の最後はこんな言葉で締めくくられる。<極めてあたりまえの歩調でまっすぐに歩いて行こう。この道は、どこへつづいているのか。それは、伸びて行く植物の蔓(つる)に聞いたほうがよい。蔓は答えるだろう。『私はなんにも知りません。しかし、伸びて行く方向に陽(ひ)が当たるようです』>▼作家の童門冬二さんは落ち込んだ時や落ち込みそうな時、この言葉をつぶやくという(『人生を励ます太宰治の言葉』)▼つまずかない人生などない。自分が歩いて行く方向に必ず陽光が差し込むのだ。そう信じて、心の重荷を軽くしてみたい。衣替えで厚いコートを脱ぎ捨てるように。


 四月一日は米軍による沖縄侵攻が始まった日です。かつて、アメリカ原住民が虐殺殲滅させられたように、米軍は容赦なく砲弾の雨を降らせ、日本人を殺しまくりました。

 その前の、一夜にして十万の民間人を焼き殺された、三月十日の東京大空襲を知っている日本軍は、戦時国際法を一顧だにすらしない、米軍の降伏勧告を、信じるわけがありません。日本人は、ユダヤ人のように黙ってガス室に行くより、抵抗して死ぬことを潔しとしたのでした。

 日本人は、正義という心の重荷を捨てることを、拒んだのです。

 死なば諸共。内地にいた最後の海軍兵力を全てつぎ込んで、沖縄の人々と運命を共にすべく、戦艦大和は出撃したのでした。

 今年の日本は花ざむの日々が続いています。それは、あたかも沖縄戦の始まった時に、心の重荷を脱ぎ捨てることを拒否した日本人のように、命を懸けなければ、日の当たる道は切り開けないことを諭しているかのようです。





[ あなたが生まれたとき周りの人は笑って、あなたが泣いたでしょう だから、あなたが死ぬときはあなたが笑って、周りの人が泣くような人生を送りなさい ]
by antsuan | 2013-04-02 20:33 | 思想・瞑想・時代考証 | Trackback | Comments(6)
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Commented by junko at 2013-04-02 23:26 x
Ciao antsuan
お加減いかが?
日本軍がアメリカを信用しなかったから降伏しなかった。の説には、おおいに疑問がありますが、、
物議をかもしそうですが、切腹するよりは、生き恥をさらしても生き抜き、責任をとるのが長たるもの、と私は、思っています
先日こっちで、硫黄島からの手紙テレビで放映してました
何度見ても嫌な気分になります
軍から切り捨てら、見捨てられたひとびと、、、
いずれにしても、太宰の素晴らしい言葉、心して頂戴しました
早速スケジュール帳にかきうつします
有り難うございます

引き続き、無理は禁物
ご自愛ください
Commented by antsuan at 2013-04-03 13:36
・この筆洗いの執筆者は、なかなか良いことを、いつも書いて載せてくれます。 確かに、マゼランのように自分を信じて歩いて行くことで陽が当たるのだと思います。

しかし、大宰の言葉は他力本願的で好きになれません。
誰かがやらなければならない。新しい道を切り開き、その方向に陽が差し込むことを、誰かが証明しなければならない場合、心の重荷を捨てないで突き進むのが、大和心であり、武士道であると考えています。

今のイスラエルのユダヤ人が過激なのは、羊のように黙ってアウシュビッツに行ったことを、悔いているからです。この「心の重荷」を捨てたら、陽の光が当たると約束出来ない世界が現実なのではないでしょうか。


目のことを考えて、引き続きブログが不定期になることをお赦し下さい。
Commented by marsha at 2013-04-04 08:19 x
朝鮮半島が緊迫してきました。
怖いです。 
知り合いは,この数日の間に何が起こるか分からないから、
アメリカ出張を見合わせていると云っていました。

安倍さん以下日本人みんな能天気ですねー。
アメリカは日本を守ってはくれませんよ。
Commented by antsuan at 2013-04-04 10:22
・marshaさん、リビアのカダフィ大佐はアメリカ(の資本家)と持ちつ持たれつの関係でした。戦前の蒋介石とアメリカがべったりだったことを考えると、北朝鮮、チャイナは、アメリカと通じていると思って間違いないでしょう。
要するに、アメリカの言うことを聞かない日本にたいして、北朝鮮やチャイナが脅す役目を担っているというわけです。
小泉総理が凄かったのは、独自外交をしてアメリカを慌てさせ、日本が主導権を握ったことです。けっして、ブッシュに媚びへつらってなんかいません。
Commented by Emitan at 2013-04-04 23:00 x
話は変わりますが、日銀が大量に国債を買う!と言う事は大量に印刷すると言う事でしょうか?そうだったら、効率的に円安に成りますよね
Commented by antsuan at 2013-04-05 14:40
・Emitanさん、日銀のインフレターゲット達成努力発表で、一気に三円も円安になりましたね。
また、GM等のアメリカ資本が韓国から引き上げつつあるようです。朝鮮半島の動静に因っては簡単に円安にはならないでしょうが、景気の活性化は間違いないことと思われます。。