あんつぁんの風の吹くまま

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我々日本人は、東日本大震災と福島第一原発事故のお蔭で、敗戦の呪縛から解き放たれることが出来たのだ。

 堀口久萬一の長男として堀口大學先生は、帝国時代の激動する世界を、青春時代に駆け巡ったのだが、わたしの祖父も、時を同じくして欧州へ留学し、白人と同等の待遇をもって自由主義思想の社会を満喫してきた。

 しかしこの二人は、熟年になって、帝国主義の優等生であったはずの母国日本の崩壊を、運命であるかのように見届けざるを得なかった。

 さぞかし無念であっただろうと思うのだが、堪え難きを絶え偲びがたきを偲ぶことに、この二人は躊躇しなかったに違いない。なぜならば、この二人はこの日本の敗戦をバネにして、大和魂の能力を見事に再び開花させたのである。

 その祖父は、日本の放射線医学の草分けとして名を残したが、生きていて昨年の福島第一原発の事故に遭遇したなら、あの敗戦の時と同じ思いで、老骨にむち打ち、再び大和魂に火をつけて、新しい日本を築き上げようとしたに違いない。

 そうなのだ、日本人はきっとこの事故の悲劇を乗り越えて、核エネルギーの安全な制御方法を見いだすに違いない。自然の驚異を知り、自然を畏怖する日本人こそが、放射能という自然と向き合えるのだと確信している。

 
堀口大學先生が祖父のみたまに捧げて下さった挽歌

   さはやかにおんしはぶきに目ざめたる森戸川べの朝よかへり来よ

   ひと筋に貫きましぬよくぞ智と学と光を高くかかげて

   或る時は梅花を語り或る時はさかづきふくみ世をば歎きぬ

   かりそめといかで思はんこの君と十歩にありてととせ生きしを
   
   となりしておはすと知れば安かりき宵の出水も朝の嵐も


 我々は、東日本大震災と福島第一原発事故のお蔭で、敗戦の呪縛から解き放たれることが出来たのだ。そのことをしっかりと認識するべきであろう。


東京新聞 TOKYO Web
【社会】
放射線量を一目で確認 装置を開発、実用化始まる
2012年4月28日 17時31分
 
 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の除染作業向けに、企業や研究機関などが放射線量を目視で分かるようにする装置を相次いで開発、実用化が始まった。局所的に放射線量が高い「ホットスポット」を簡単に特定、作業後の除染効果も一目で確認でき、大幅な効率化が期待される。
 日立コンシューマエレクトロニクス(東京)は、放射線量を色分けしてパソコンに表示できる「放射線測定装置」を開発、3月下旬から東日本大震災の被災地などで除染作業やモニタリングに携わる自治体、建設会社など向けに販売を始めた。
 大手電機メーカーの東芝や宇宙航空研究開発機構も開発した。
(共同)

    日立コンシューマエレクトロニクスが開発した「放射線測定装置」
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           東京新聞より抜粋

by antsuan | 2012-05-01 23:26 | 文学・教育・科学・医療 | Trackback | Comments(0)