あんつぁんの風の吹くまま

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人間は自然のあらゆるものと深い絆によって結ばれていることを忘れてはなるまい

           東京新聞四月九日の夕刊より抜粋
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 絆といえば、やはり家族の絆を想定すればピンとくるのではないだろうか。しかし平和になればなるほど、この絆の力は弱くなるようだ。今から約四十年も前の、民放テレビ局で放映された、山田太一脚本の「岸辺のアルバム」という番組が、まさにこの家族の絆を問いかける物語だった。当時フリーターだった私は、この番組だけは欠かさず観たことを覚えている。

 この番組の見せ場は、洪水で流されてしまう家から、必死で家族が写っている写真アルバムを持ち出す場面なのだ。夫婦、親子の絆が断ち切れそうになった、家族が崩壊する寸前に、洪水で家が流されてしまうことが分かった時、家族の絆があったことの証であるアルバムを必死で取りに行く。

 テレビドラマとわかっていても泣けてきてしょうがなかった。

 絆は空気のような存在で人間はややもすれば忘れがちになってしまう。しかし、湯船の中で潜ってみたりして、空気を一度遮断してみればその大切さがはっきり分かるだろう。

 日本は、東日本大震災と福島第一原発事故の不手際から、政治的に漂流している。しかし、まだ沈むにはしばらくの余裕があるようだ。とすれば、乗り組んでいる者たちが、自然(科学)との絆を意識して、羅針盤を信じて進むことにより、目指す港にたどり着くことが出来るのではないだろうか。

 人間は、神よりも前に自然のあらゆるものと、深い絆によって結ばれていることを忘れてはなるまい。
by antsuan | 2012-04-11 09:39 | 文学・教育・科学・医療 | Comments(0)