2011年 08月 28日
なぜ、緊急冷却装置が人為的に三度にわたって止められたのか。
川内博史、原口一博両衆議院議員の調査によれば、福島第一原発の緊急冷却装置が人為的に三度にわたって止められていたという。政府も東電もその事実を認めているが、その真意は謎のままである。
報道記者の上杉隆は、そうしたことをしなければ、メルトダウンも、メルトスルーも、その後の放射能の拡散も防げたかもしれないと述べている。 しかし、こんなことが謎になってしまう理由は明らかである。原子炉が地震によって破壊されたことを認めないからなのだ。 地震の巨大性からして、原子炉はその発生直後からそうとうひどい損傷を受けたと想像出来る。つまり、緊急冷却装置を作動させる方がかえって危険な状態にまでなっていたと考えていいのではないだろうか。 では、それはどんな状態だったのか。圧力容器およびそれに繋がる配管そのものに亀裂が入ったに違いない。制御棒も挿入出来たのは全部ではあるまい。したがって、燃料棒の破損も明らかになっていたからこそ、緊急冷却装置を作動させると水素が発生してしまい、爆発の危険が高まると判断して止めたと考えるのが自然ではないだろうか。 つまり、原子炉は津波によってではなくその前の地震によって壊れましたと、正直に発表すれば、緊急冷却装置を人為的に止めたことを隠す必要も全くなくなるのである。 もちろん正直に発表しない理由が存在する。そのことを認めれば、原子炉を直ちに全部止めなくてはならなくなるからだ。 しかし少なくとも、原発の存廃を議論する前に、日本の報道機関は、地震によって原子炉が破壊されたことを、国民に知らせる義務があるのではなかろうか。
by antsuan
| 2011-08-28 09:49
| 文学・教育・科学・医療
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Comments(6)
成る程納得しました。
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gabefunyaa at 2011-08-28 16:41
やっぱりそうでしたか。どんなに丈夫に作ったつもりでも配管はそうはいかないとのことです。
みんなの水がめ琵琶湖のそばにたくさん原発【ぼちぼち40年】があるのが頭痛の種です。
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HOOP at 2011-08-28 19:44
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antsuan at 2011-08-28 21:04
・Emitanさん、プルトニウムとかウランという放射性物質は、もともと冷やして制御出来るものではなく、中性子を遮断してエネルギーを制御するものなので、使用済み燃料の方がもっと危険なものになってしまう厄介なもののようです。
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antsuan at 2011-08-28 21:05
・gabefunyaaさん、地震だけでなく、ミサイル攻撃や、航空機墜落事故であっても、フクイチとおんなじ悲惨なことになります。
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antsuan at 2011-08-28 21:06
・[福島メルトダウンの背後にある衝撃的事実]、HOOPさん、何でこんな重大なことを国民に知らせないのでしょうね。国家もマスコミも。
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平成15年(西暦2005年)3月開設
世の中、理不尽なことが多すぎます。それが普通の世界だということがようやく分かってきました。しかし人間として生きるためには獣のように本能に心をゆだねるのではなく、精神をしっかり持たねばなりません。「健全なる肉体に健全なる精神を宿らしめよ」を自戒の言葉に、右左あんつぁん(東北弁で臍曲がりなこと)の本領を発揮して、いろいろ書いてみたいと思います。どうぞ宜しく。
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