あんつぁんの風の吹くまま

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中年男性のエッセンス

 このブログにも時々のろけを書かせてもらっているが、田辺聖子という作家もカモカのおっちゃんとしてご主人とののろけの随筆を書いて読者を楽しませてくれていた。実際にはご主人そのものではなく、中年男性の生々しいエッセンスを集めた人物像として、熟女的に評価した面白い話ばかりだった。

 実は私もこの「週刊文春」に連載された「女の長風呂」という随筆でしか、田辺聖子のことは知らない。その彼女が、本よみうり堂の著者来店のコラムに「田辺写真館が見た”昭和”」の本を書いたいきさつを次のように述べている。

 「今の日本は敗戦の日に生まれたんじゃない、戦前にも厚みのある庶民文化がすこやかに機能し、いろんな花を咲かせていたのだと、私たちの世代が言挙げしておかなければ」
 
 どんな花を咲かせていたかは想像できる。母から娘時代のこととして、成城学園の高等女学校に通い、ターキーこと水の江滝子の追っかけをし、円タクに乗って銀座や新宿の映画館に封切を見に行っていた事を、洋画の話題になると時々話してくれたからだ。
 
 ジャンギャバンの「ペペル・モコ(望郷)」の魅力や、「風と共に去りぬ」の映画化のこと、海軍将校との片思い。少なくとも大阪・神戸、東京・横浜においては、庶民の文化が華やかに花開いていたことが母の思い出話の端々に読取れた。
 
 そういう昭和の庶民文化について言挙げしておきながら、「人生って、夫と妻って、やっぱり漫才ですから。少しでもぎょうさん笑ったほうが勝ちよ。おかげで、今も笑いの絶えない毎日です」と言切る女性を守ることが、男のエッセンスなのだと思っている。
by antsuan | 2005-07-16 16:08 | 思想・瞑想・時代考証 | Comments(4)
Commented by knaito57 at 2005-07-20 11:34
いまだに“平成”になじめず、いつの間にか西暦を多用するようになった自分を「時代遅れなのか、それとも新しいのか」いぶかしく思っています。★海上自衛隊・禅寺・経営者・ヨット……一筋縄ではいかないantsuanのバックグラウンドは、会社勤めと土手の道しか知らない私には無縁であるだけでなく、脈絡のない四題話にさえ思えます。だから面白いわけで、これからの情報発信を楽しみにしています。
Commented by antsuan at 2005-07-20 12:32
ご愛読、まことに有り難う御座います。人生年を取ってくると世の中の事が少しずつ分かってきて、肩ひじ張らずに生きて行けるようになってきましたが、未だまだはな垂れ小僧の身、このようにブログで息巻いております。今後とも宜しくご鞭撻の程お願い申し上げます。
Commented by MNO at 2005-08-02 23:20 x
はじめまして。TBさせていただきました。
「人生って、夫と妻って、やっぱり漫才ですから。少しでもぎょうさん笑ったほうが勝ちよ。おかげで、今も笑いの絶えない毎日です」と言切る女性を守ることが、男のエッセンスなのだと思っている。
この部分、まったく同感です。女性が笑顔でいることは大事だなぁと最近とみにそう思うのです。
Commented by antsuan at 2005-08-03 15:18
トラックバック有り難う御座います。田辺聖子おばさんって、いいですねぇー。自分も人を笑わせる事が出来る人間になりたいと思っていますが、これが意外と難しい。