あんつぁんの風の吹くまま

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狩猟民族でも農耕民族でもなかった縄文人


 縄文人は採取生産に特化することで世界で最初に定住化した民族ではないかと言われています。

 考えてみれば、定住というのは生き物にとって革命的な事です。人類は、それを農耕や栽培生産ではなく、木の実や魚貝類などの"採取"生産の確立によって、始めることが出来たのでありましょう。

 古事記にも神がわざわざ木を植えたと記されているように、日本の古代人は、樹木を植えることの重要性を認識していたことがうかがい知れます。

 日本の考古学発祥の地である有名な大森貝塚も縄文時代の遺跡ですが、稲作が入ってくる弥生時代前にも定住していたことははっきりしています。そして定住し始めた人々は、当然のこととして、実をつける機械である樹木を大切にしていたはずです。

 その後の、樹木を神とする自然信仰をもとに王朝が形成されたときには、日本人は「生産」の意識をしっかり持っていたと考えて良いでしょう。つまり、人を生産する「女」についても、神に近い存在として崇めるようになっていたと思うのです。

 さらに、稲作が伝わり鉄器が使われるようになってからは、採取民族として「女」を大切にする神話が確立して、国家が統一されたと思われます。そして支配者の交代を繰り返しながらも、神話に基づいた国家そのものは崩壊することなく続いてきたのです。

 ですから、我が国は間違いなく現存する最古の国家といっていいと思います。
by antsuan | 2010-05-28 00:19 | 思想・瞑想・時代考証 | Trackback | Comments(0)