あんつぁんの風の吹くまま

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素晴らしきかな、葉山・初島ヨットレース


 スタート前はいつも楽しい。みんなに優勝できるチャンスがあるのだから。
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 台風接近のため開催が一日遅れた葉山・初島ヨットレースですが、今回で第七回目を迎え、大会会長の石原慎太郎東京都知事も愛艇を駆って出場する本格的なヨットレースに、純粋なクルージング仕様の我が愛艇「バレリーナ II 」もお誘いを受け、艇長の右左あんつぁんは九月の初めから仕事も手が付かないほど熱がこもっていました。

 ところが、なかなか作戦通りに行かないのは先のケンノスケカップレースで経験済みなのですが、今回も残念ながらベストメンバーをそろえることが出来ず、作戦参謀を欠いての出場となりました。しかも、台風一過の翌日の海面状況の予測がまったく付かず、ゆっくり慌てずの余裕を持ってスタートしたものの、先行艇が追い風用のスピンネーカーを展開してさっさと沖に行ってしまうのを見ると、計画していたコースを外れてバタバタしてしまいました。

 後から知ったことなのですが、先行した艇もみんな凪の中に突っ込んでしまいウロウロしていたようです。こちらはスタートから三時間経っても江ノ島沖で風を探してあっちへ行ったりそっちへ行ったり、艇長の右左あんつぁんは正直、胃が痛くなるほど暗澹たる思いをしていたのでした。ベテランレーサーに舵を任せると愛艇は気持ちよく走り始めたので、こちらも腹を決めて再スタートしたつもりで当初の計画通りいったん南下しました。

 真鶴沖近くまで来ると、なんとかほかのレース艇が見えてきて俄然みんな元気が出てきました。しかしながら、初島に近づいた頃はすでに日没になり、航海灯を付けての初めての夜間航行です。追いついた艇の航海灯を意識しながら初島に近づいて行ったのですが、島に近づくに従ってどんどん風がなくなり、近くのレース艇がすんなり初島を通過したのにもかかわらず、こちらは舵も効かなくなるほどの複雑な潮の流れに翻弄されることニ時間あまり、島の明かりがどんどん近くなって暗礁に乗り上げる危険がでてきたので、ついに棄権することを決意し、夜の九時を回ったところで陸上本部にその旨連絡してエンジンを始動させました。

 帰りは自動操舵に切り替え交代で休むことにして夜間航行を続けました。雲が低く垂れ込めているせいでしょうか、街のところの空が明るくなっていてまるで晴れているようです。夜間航行をすると、やはり灯台の光が頼もしく感じられます。行きにはあれほど嫌っていた江ノ島ですが、その灯台の明かりを目指して走り続けました。

 夜光虫が砕ける波にぱらぱらと光っています。まるで海の蛍のようです。風も出てきて機帆走で順調に葉山を目指しました。途中、陸上本部が連絡してくれたときには平塚沖まで戻っていました。しかし、その頃から雨が降り出し風が強くなってきました。また、江ノ島も近くなってきましたので漁網やタコ壺のブイが気になり始めました。そこで、スピードを少し落としながら寝ている者を起こして全員で暗い海を見張って航行しました。葉山港に到着したのが午前三時過ぎ。桟橋には、有り難いことに陸上本部の方が待機してくれていて舫いを取ってくれました。

 レースはリタイヤとなってしまいましたが、パーティーでは他艇も四苦八苦していたことを知り、貴重な経験を積むことが出来たことに心地よい満足感を味わった右左あんつぁんでした。


 帰港後、桟橋で落水する落ちまでつけて、のんびり着物を干しながら艇内整備している愛艇「バレリーナ II 」
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by antsuan | 2009-09-22 18:23 | 自然・ブルーウォーター・競技 | Trackback | Comments(2)
Commented by eWIND at 2009-09-23 08:21 x
お疲れさまでした。
終わってみれば苦労したことも楽しいですよ、レース中かつおの刺身を味わってたフトドキヨットいたようです(笑)
こちらは来月ドック入りセーリングは来年になりそうです(哀)
Commented by antsuan at 2009-09-23 09:30
・eWINDさん、YouTubeも拝見しました。きれいな船を見ると心も清々しくなります。
ほんとうに負け惜しみではなく、リタイヤもよい経験になりました。