あんつぁんの風の吹くまま

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裁判員制度はどうなった

 解散総選挙で吹っ飛んでしまった感がありますが、導入された裁判員制度の裁判にも目を逸らしてはならないと思います。この制度が欠陥だらけの目茶苦茶な法律であることは新聞雑誌などで指摘されています。しかし、どんなに酷い制度であろうと変えないよりは変えたほうがマシだと思っています。つまり、今はやりの言葉を使えば"チェンジ"です。
 
 法律が不備であればあるほど、人間は理性を働かそうとするものです。ですから、本当は法律なんてホンの少しで良いのだと思います。

ボイスプラス  
  人の痛みを知る
          高山正之(ジャーナリスト)

 米国では小学校から模擬法廷の授業がある。参観したクラスではグリム童話のヘンゼルとグレーテルの魔女殺害事件を検察団、弁護団に分かれて審理していた。ときたま裁判長役の教師が「飢饉で親が子供を森に捨てることもあった」と事件の背景を説明する。
 陪審員役の子供たちは魔女殺しについて無罪。ただ魔女の宝石を盗った件では有罪とした。結構、説得力があった。

 中学、高校になるとカリフォルニアなど12の州に法的な拘束力をもつ「Peers court」がある。ピアとは仲間、友達ほどの意味で、ちゃんとした判事の下で検事、弁護士は仲間の生徒が担当する。この法廷に掛かるのはいじめや落書き、器物損壊などの軽犯罪に限られる。

 同級生の前で自分の行為を尋問され、情状面では普段の行ないも採点される。もちろん本人の長所も弁護側から出され、自分の社会的評価も知ることになる。判決は社会奉仕、被害者への謝罪、賠償などで、それを果たすと犯罪記録は消滅する。

 しかしそうした現実面より、自分が他人にどんな痛みを与えていたかを知ることが大きいといわれる。

 広島少年院で、指導に当たる法務教官が少年たちにシャワーで水をかけ、顔を殴り、トイレに行かせずに失禁させたとして、地検が逮捕した。『朝日新聞』は「親代わりになって教育するはずなのに、これは教育から程遠い人間の尊厳を踏みにじる行為だ」と怒る。

 少年の親も出てきて「うちの息子も暴言を吐かれた」、別の親も「平気で暴力をふるうなんて許せない」とわが子に代わって怒る。

 しかしそのわが子は何をしたのか。失禁させたり、シャワーをかけたり、では少年院には行けない。「平気で殴る」「人の尊厳を踏みにじる」積み重ねがあってやっと入所できたはずだ。そして初めて教官によって人の痛みを知った。親もわが子が苛められるつらさを知った。子にも親にもいい勉強になった。むしろ、いい教官だったと考えるべきではないか。

by antsuan | 2009-07-29 12:56 | 文学・教育・科学・医療 | Trackback | Comments(4)
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Commented by Emitan at 2009-07-29 22:50 x
そうなんだ!親は子供のご機嫌取りに専念し、教育を放棄している。父親の威厳より友達に成りたがっている。母親は徹底して懐で保護政策に専念している。此れではマトモな人間が育つはずがない!
Commented by hana-abe at 2009-07-30 01:56
実は、小学校の図書室で仕事をしていると、いろいろなものが見えてきて…。先日は3年生のクラスの子供達のケンカ。二人の小さなケンカから竜巻のように、ぐるぐると広がり、全員が何かを言い合っているというすごい状態。最初は、静観していましたが、担任が朝の会議で、しばらく戻ってこないんだったことに気がつき、その教室に入ると、情勢は益々悪化、私の入る隙間はなく、オタオタしているうちに、打ち合わせを終えた担任が。その後の授業は、予定変更で道徳。みんなで、事情聴取からはじまり、担任を交えて、延々と子供会議、いえ、これは、子供裁判だったのかもしれないなぁと、なんてタイムリーなんでしょうと、思いながら記事を読みました。
Commented by antsuan at 2009-07-30 08:20
・そうなんです。親はもっと威厳を持たないといけないと思います。
Emitanさん、戦争に負けて、男の威厳を否定されたのが響いていますね。

Commented by antsuan at 2009-07-30 08:20
・ほんとにそれはタイムリーでした。
子供のけんかを否定しちゃいけませんよね。
教育って真剣に子供の話を聞いてあげることが基本の一つなんだと思います。
まわりの大人がみんなそうであれば、親の教育が多少ぶれていても子供はしっかりと育つと思います。